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伝説を超えてゆけ!シャッフルユニットライブ!!(前編、企画スタート〜長髪組・最年少組編)

シャッフルユニット、特別ライブ決定!

今回シャッフルユニットを組み特別ライブを行うのは…この4組‼︎


絆煌めく五芒星☆ five Pointed star

(ファンへの認識→自分達を支えてくれる仲間、幸せを届けたい)


四つの個性が混ざり合った漆黒の艶めき pallet

(ファンへの認識→表向きは、俺たちについてこい。本音は愛されたい)


心を慈しむ、2人で1つの守り人 tears

(ファンへの認識→守るべき尊い命、歌で救いたい)


盛り上げろ!俺たちのにゃいるどびーと! Cats♪

(ファンへの認識→俺たちの飼い主、仲良くライブを楽しみたい)


今回、特別ライブを行う理由はトップスターとしての威厳を示す為だけではない。

3組による伝説のライブ後、インディーズ(この世界にアイドル事務所など存在しないが。)で見よう見まねのライブを行う者達が増え、現実世界と同じように沢山のアイドルが誕生した。

だが当然実力差は出てくる。

そこで、人気グループの伝説を超えるようなライブを披露し、アイドルの輝きの手本となり輝きを見つけられていない全てのアイドルが煌めくような世界を作る事と、事なる魅力を持つグループ同士の交流でそれぞれのさらなる才能を開花させる事を目的としていた。

シャッフルユニットは、以下のように決定した。

18歳組        奏   響  瑠花

グループ最年少組   燈里  壮牙 海

長髪組        ルーク 雫

紳士組        サシャ 律  晴  優

お兄ちゃんと反抗期組 翔太  天音


双子を除き、それぞれが本来のメンバーとしばしの別れを惜しんだ。

「2人とも、頑張るんだよ!」瑠花と海の間に入り、それぞれを乱暴に撫でる優の瞳は、母猫のように優しい。

「技術を盗んで、俺様の糧にしてやるよ!」爪を出しながらやんちゃな声をあげる瑠花と「もちろん!優こそ、あんまり本性の方見せないでよ。」ふわふわの尻尾を揺らしウィンクしながら優に警告する海、このじゃれあいこそがCats♪の魅力だった。


「なんで俺が反抗期なんだよ!」野生動物が牙を剥くような口調で、本物の狼獣人の年下少年に抱きつきながら不満を訴える。

「俺に聞かれても…!性格とかが正反対の方が面白いからかな?」

耳を後ろに傾けて、困ったように壮牙は天音を見上げた。

壮牙を抱きしめる天音のその顔は笑っていた。

大人達2人は、そんな様子を微笑ましく見守っていた。

「達者でな」「なに、またすぐに会えますよ」

他のグループに比べてあっさりしているようだが、心の底は深く繋がっているpallet。


「にーさんと一緒だ!」「嬉しいね響。」

のほほんとした雰囲気の双子に呆れたような口調でシャッフルに入る人に引かれないようにと注意する燈里も内心寂しいのかそわそわしている。

「最高のシャッフルライブを作ろうね!」にっこりと笑いかける律。

4人を守り、包み込むように両腕を広げて「みんなの事、大好きだよ。」と順番に抱きしめて撫でていく翔太。

それぞれ大人しく、嬉しそうに目を細めている。

その後双子は、大好きな兄さんを困らせないよう翔太と組む天音を脅していたという。

少し過保護かもしれない家族愛を誇る、five Pointed star。


「晴と、離れるのは初めてだね…」感慨深いというような雫と、「もうあの時の俺じゃないから、友達増やしてくるね、雫!」

精一杯人懐っこい笑みを浮かべようとする晴。

そんな晴の心の傷を見抜き、「大丈夫」の一言に安心感がある雫。

一心同体、2人で1つとして生きるようになった雫と晴が、それぞれのtearsとして成長する事を誓った。


長髪組

「我はルーク、隣国の第二王子じゃ」銀の長髪をかき上げながら流暢に挨拶をする。

ルークよりさらに長い水色の髪を風に揺らしながら、「雫」いつかのように名前だけを告げた。

ルークは少し不思議そうな顔をしてから、雫の横に腰掛けた。

「ルーク、君が歌に込めたい思いって何?」

歌は作曲組が合作する事になっていたが、参考までに雫は尋ねた。

雫がさらに不思議そうな顔をして「上手く歌えば、酔いしれてもらえるのではないか?」と答えると、「それは違うよ」気だるげな目をさらに細めて、ひどく冷たい声を放った。

「感情のこもった歌に、人は感動するんだ。うちの晴のようにね。まぁ…昔の晴も君みたいな時があったっけ…」

と懐かしみ、大切そうに柔らかく語り出した。

「晴と出会ったばかりの頃、晴は僕の仕事を手伝いたいと言うようになった。試しに歌わせてみると、よく音楽を勉強していて基礎はしっかりしていた。だがその分、上手く歌おうとするあまり心が感じられなかった。それを乗り越えた晴は、今のような希望溢れる歌声を身につけた。」

ルークの心の扉を開くように雫は続けた。「君が思いを伝えたい相手は?」全て見透かすようにレモンイエローの瞳はルークを見据えた。

「そうだな…民と仲間達だろうか。」すると何かを思い出したように声を上げた。「そもそも我には、サシャと出会うまでは本音をぶつけてくる者もおらんかったのう。」

空を見上げるルークにふっと笑った雫は、「家族以外だと、僕も晴が最初の友達なんだ。」共通点だねとも言うような雫に、2人の絆は生まれていったのだった。


最年少組

「ねぇ、2人はなんでアイドルになりたかったの?」仲良くなりたい気持ちが伝わってくる。ワクワクとした口調で壮牙が尋ねる。

返事を待たずに「あっ!俺はね、アイドルになりたかったの!あれ?理由になってないなー」おかしいなと自問自答を繰り返す壮牙。

聞かずとも、アイドルに対する憧れが伝わってくる壮牙に、燈里は幼い頃の自分を重ね、眩しさと痛みを覚えた。

「ぼくは、幼い頃からアイドルになれと言われて育てられていたし、他の夢を考えた事もなかった。」さらりと言ってのける燈里の心の内に秘めた痛みを読み解く者はここにいなかった。

純粋な瞳で「だからそんなに歌とダンスが上手なんだね!すごいなあ!」と尊敬の念を込めて壮牙に見つめられた。

そんな壮牙から、かつての自分持っていて失ったであろう、憧れと喜びに満ちた天然のキラキラした魅力を感じて、思わず目を逸らした。

「俺は二人よりは軽い理由で、Cats♪のメンバーから誘われて面白そうだったから始めたの。」それより壮牙の耳と尻尾が気になる様子で近づいていた。その姿に奏の様子が重なった。

そんな理由でもあれほど歌えるのかと考えた後、自分もそんなに変わらないかと、誰にも気づかれず自嘲気味に笑った。

燈里の心の奥底に秘められた呪縛、この呪縛から解き放たれた時、燈里はさらなる輝きを放つ。

「猫じゃらしで遊ぼうか?」どこから取り出したのだか、たくさんのおもちゃで壮牙を完全に動物扱いする海に、燈里は己の仮面を取り戻して「こんなユニット最年長で大丈夫?」と海の背中を突いた。

壮牙も、「俺は猫でも犬でもありません!」と起こりつつも、投げられたボールを拾ってきている。

「ほーら、君たち練習するよ!?」パンパンと手を叩きながら燈里は、心がほぐれていくのを感じた。

(取り戻せるかな?もう一度。)five Pointed starと過ごした時間のおかげで燈里はそう考える勇気を得ていた。

「はい!」「ちょっと、この中で俺が最年長なの忘れたらおこだよ!」と燈里についてくる2人に案外良いメンバーかもと、心が温まり早く三人でパフォーマンスしたいという思いが生まれた。

「よしよし、いい子だね壮牙!はいはい、わかってるって海。」

いつも自分がされているように壮牙を撫で、海をあしらう。

海も不満げな様子はなく、なぜか燈里との会話に心地よさを覚えた。

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