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scene_■■ 残影

 ほぼほぼ皆様始めまして。

 もし、自分の他の作品を見たことがある方は久方ぶりです。

 今回の話は主人公の前世における最期の記憶です。

 ですので、本編は次回からとなります。

 とりあえず、主人公はこんな感じなんだなといった感じで見てもらえれば。

 ードスッ

 「ハッ、いい気味だ!」

 なんで···


 ーゲシッ

 「お前らさえ、お前らさえいなければ···!」

 どういうことだよ···


 ーゴスッ

 「そ、そうだ!お、お前らなんて!い、い、いらないんだー!」

 いらないも何も···


 ーボキッ

 「消えちまえ!無くなっちまえよ!お前らみたいな社会の寄生虫は!」

 見ず知らずの相手になんでこんなことされてるんだ···?


 ドスッ

 ゲシッ

 ゴスッ

 ボキッ


 ドスッ

 ゲシッ

 ゴスッ

 ボキッ


 どれくらい暴力を受け続けているんだろう···

 自分の主観じゃ一時間以上されてる気がするけど、多分実際は30分も経っていないんだろうなぁ···

 いつもアイツや義娘には「もっと力付けろ」て言われてきたし、自分でも非力だなとは思っていたけど、まさか見ず知らずの男四人からいきなり暴力を受けるなんて想定外も良いところだ。


 「ゴフッ···ぉまえら···なん···なんだよ···」


 自分でもそんなことより反撃しろよとは思うがハッキリしているのは思考だけで、身体の方は満身創痍だ。

 骨は確実に折れているし、内臓破裂も起こしている可能性が高い。

 昔から感覚と思考が独立した感じで、意識さえあればどんな身体の状況でも思考できるのは色々と役に立つ体質だったけどこういう時は中々辛い。

 感覚が鈍くなっていても思考がハッキリしているからやられた部分を意識してしまって一時的にその部分の感覚が復活してしまうから、常に新鮮な苦しみを味わってしまう。

 だから、思考のリソースを減らすために少しでもどうしてこんなことになっているのか情報を集めようととりあえずこの四人は何者なのか、質問を投げかけてみる。

 もっともー


 「あ?喋んじゃねーよ!このゴミが!」

 「アガッ」


 ッ〜〜!

 ヤバい、思いっきり顔を踏まれたどころかグリグリまでしてきやがる!

 なんとか抜け出そうと頭を振ろうとするが、完全に無駄な抵抗だ。

 それにこの感覚は···ああ、これはアレだ。完全に意識が落ちようとしてる感じだ。

 この状況で意識を失くすなんて死とほぼ同義だし、何とか意識を保つために身体を動かそうとするけど全然動く気配がない。

 それどころかさっきまで鈍いながらも感じていた痛みなんかも、まるで嘘のように無くなっていく。まぁ詰んだかな。 

 死ぬのは色々あって怖くはないけど、未練は沢山あるなあ。

 義父さんや母さんにはまだ親孝行しきれてないし、数少ない友人やお世話になった人にもお礼が出来てない。

 それから、自分の恥ずかしい性癖がわかるあのフォルダはアイツはともかく義娘には見られたくないし、追ってたラノベなんかの続きも気になる。

 それから、それから···

 うわあ、未練タラタラじゃん。俺/僕/私。

 

 「···い!な····て·る!」

 「あ····え!」

 「·や、··つも·ミ·」

 「じゃあ·······」

 「あ·」

 「んだと·······ら·····!」


 もう遠くとしか思えないくらい途切れ途切れにアイツと四人の声が聞こえる。

 ちょっと来るのが遅いんだよ。戦友。

 まぁ、アイツなら俺が逝っても直ぐなら残滓を読めるだろうしアウト寄りのギリセーフか。

 じゃあ遺言···遺念?だよ。戦友。

 とりあえずは俺のパソコンを始めとした遺品はしっかり処理してくれ。

 義娘ー綾は悲しむだろうけど間違っても形見とか言って変なもの渡すなよ?振りじゃないからな?

 次に両親と綾のことだ。

 俺/僕/私は一人っ子だったから老後の世話をする人間がいなくなるし、綾は知っての通りだ。迷惑かけるけど、まぁ俺の保険金とか貯金とかで上手いこと頼む。暗証番号とかはよく使ってたアレだ。

 後は、出来たらこいつ等が何者なのか調べてくれ。

 勘違いにしては殺意が高すぎるし、かと言って心当たりはとんと無い。

 地縛霊なんかになって魂削りたくないから、お前に託して逝くけどまぁこれは出来たらで頼むわ。

 少し長くなったけどお前なら多分読めるだろうし、出来なくても何となく伝わると信じてるぜ。

 またな。いつか向こうで会えたら、また···バカ···やろうぜ·····


 そして、俺/僕/私の意識と思考は安心感と恐怖を感じる、無明の闇へと堕ちていった。


とりあえず、週一投稿目指します。

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