思い出の記憶1
過去編ですー
今から約6年前鷹斗は現在の兵庫県ではなく、徳島県の田舎で母【詩織】、祖父、祖母、鷹斗、妹【梨沙】の5人で暮らしていた。
その頃、鷹斗にはいつも一緒に遊んでいた幼馴染みの女の子がいてその女の子の名前が何故か今目の前に居る結衣から出てくる。
『東雲 有栖』
この有栖という女の子の名前が出てきて鷹斗はふと昔の事を思い出す。
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2024年8月、100坪ほどあろう土地に建っている木造建築の大きな家に鷹斗は住んでおり、鷹斗はリビングへと続く渡り廊下をニコニコしながら走っていた。
小学生である鷹斗は夏休みを迎えており、毎日友達と遊んでは寝て宿題なんて後回し!そんなワンパク少年だった。
そんな鷹斗はリビングに到着して母の詩織に向けて一言伝える。
「母さん!今日は有栖と遊んでくるね!」
「はーい、あんまり遅くなっちゃダメよ?後帰ってきたら今日こそ宿題するのよ?」
詩織は鷹斗の言葉に遅くなってはダメというのと宿題をする事と言うが鷹斗の耳には右から左くらいの感覚で『はーい』と軽く流されヤレヤレという感じで微笑みながらため息をする。
詩織に遊びに出る事を伝えた鷹斗はそのまま玄関の方に向かい玄関を出ると少し離れた所から声がかかる。
「ん?鷹!お前今日も遊びに行くのか?」
鷹斗は庭からする声の方を確認するとそこには庭の木を前庭している祖父の『黒山 勝』が居た。
「うん、有栖と遊びに行ってくる!」
「あぁ、東雲さんとこの有栖ちゃんか、本当に仲が良いのぅ、あんまり遅くなって母さんに心配かけたらいかんぞ!」
「うん、わかってるよ!有栖待たせてるかもしれないからまたね!じーちゃん」
祖父にも遊びに出る事を伝えた鷹斗は早く行かねばと走って数分の待ち合わせ場所の小さな橋へと向かう。
鷹斗は全力とまではいかないが急ぎめに走ったのもありすぐにその橋に到着した。
『あれ?有栖まだ来てないのか・・・急いで損したなぁ』
橋に有栖はおらず鷹斗は急いで損したと少しモヤっとした感情になっていると突如背後から小さな手で目隠しをされ聞き慣れた女の子の声が聴こえる。
「だーれだ!」
一瞬ビックリした鷹斗だったが声を聴いてすぐに平常心に戻り返事をする。
「もー、有栖居たのかよ!ビックリしたよ」
そう言って鷹斗は目隠しされた手を取りその声の主の方へと向き、その姿を確認する。
分かっていた事だがそこには鷹斗と同じくらいの身長140cmくらいで黒髪でショートボブ、肌は少し焼けていて健康的な女の子、『有栖』が笑顔で立っていた。
「えへへ、ごめんね?ちょっと驚かせようかなって!」
有栖はごめんね?と謝りそのまま鷹斗の手を取り2人は手を繋ぎ歩き始める。
「別にいいよ!今度は俺が有栖をもっとビックリさせてやるから!」
鷹斗はニヤリとした顔で有栖に向かって言う。
「えー、それは普通に怖いからやめてよ・・・・」
「やめないよ〜、じーちゃんが言ってたもん『先にやる奴は同じ事やられても仕方無い』って!」
有栖は鷹斗の復讐が怖いのでやめてと言うが鷹斗は祖父から聞いた言葉を盾にして自分の正当性をアピールすると有栖は少し呆れ気味に言葉を返す。
「鷹のおじーちゃんは鷹に甘いからね!それより今日はどこで遊びたいとかある?」
これ以上この話しをしても自分に良い事は起きなさそうと判断した有栖は話題を変えて今日の行動の相談をする。
「いや、今日は有栖から誘ったんじゃん!何かしたい事があるんじゃないの?」
今日は自分は誘われた側だから有栖が何かしたい事が、あったのでは?と問いかけると有栖はアッ!と何かを思い出したような声を出す。
「そうそう!今日は別に遊ぶっていうか遊ぶ場所を決めるっていうのが今日、鷹を呼んだ理由!」
『遊ぶ場所を決めるために遊ぶ?』
鷹斗は意味が分からずに分かりやすいように説明を求める。
「えっと、意味がわからん!分かりやすく説明して」
訳が分からない上にどちらにせよ遊ぶ場所が決まって無いのならと橋を渡った所にある市民体育館のベンチに移動しようと言い2人は移動しながら話す。
鷹斗の言葉に有栖も「えーっと」と伝える言葉を考え、そして纏まって口を開く。
「あのね、来週の8/13日に兵庫県?から親戚【お父さんの弟の家族】が私の家に泊まりにくるんだけど、その中に私たちと同じ歳の女の子がいるの!それで一緒に遊ぶのにどこが良いかなぁって」
「なるほど、その子と遊ぶための場所かぁ・・・・でもこんな田舎じゃ遊ぶ所なんて特に無いんじゃないか?」
有栖から理由を聞いた所でベンチまで到着し2人は座り鷹斗は頭の中で色々と考える。
有栖の目的は理解したが他所の土地から来てこの土地で遊ぶのは非常に難しい、何故なら鷹斗や有栖の住んでいる場所付近には鷹斗達の通っている小学校と市民体育館とめちゃくちゃ小さな公園と後は綺麗な川と山しかない。
それだけあれば子供なら遊べるのでは?と思うかもしれないがそうではない。
もちろん実際に鷹斗や有栖はそれらの場所で遊んでいるわけだが田舎というのは意外とややこしいもので好奇心でちょっかいを出す人ももいれば疎外的な人も居る。
そして田舎ゆえに昔ながらの考えの家庭が多く『子供は外で遊びなさい!』が基本となっているためそれらの場所には常に人が居る。
つまり難しいのでは?と鷹斗はそれらの事を有栖に説明すると有栖も同じ事を思っていたようで頷く。
「だからどーしよっか悩んでるのよ・・・・何か無いかな?」
有栖が分からないなら当然鷹斗も分からない、何故なら2人とも同じ場所で育ち遊んできているのだから。
「んー・・・・その子は明るい子なの?」
最悪、人は多くても明るい子なら有栖と自分がフォローすれば馴染めるのでは?と鷹斗は思い聞いてみるがその質問に対して有栖は首を横に振る。
「毎年お正月に会ってるんだけどあんまり喋らないし運動神経とかも良くなさそうな感じ・・・・」
「あー・・・・そりゃダメだな」
有栖からの回答で鷹斗は自分の案は駄目だと理解する。
そして2人して何かないかと悩んでいると有栖が何かを思い付いたようで鷹斗の両手を握り鷹斗を上目遣いで見る。
「ねぇ!鷹の家の庭で遊ぼうよ!」
「えっ!?俺ん家?」
有栖からの突然の場所の提案と自らも遊ぶ事になっている事に驚きながら鷹斗は聞き直すのであった。




