結衣と鷹斗
あ、イラストが完成したんだけど、載せ方分かんないんですけどww
杏が立ち去った後、休憩する間もなく次の約束の相手の結衣がこちらにパタパタと小走り気味にやって来た。
「鷹君お待たせ!杏と楽しそうに踊ってたけど何の話ししてたの?」
結衣は鷹斗に話しかけながら両手を鷹斗に差し出し、『もう踊るのか』と思いながら鷹斗はその手を取る。
「んー、胃が痛いから回復してって言ったら後で胃薬やるって言われた」
「あはは、なにそれ〜」
途中までの話しは割と真面目な話しだったのでそこには触れず最後の件だけを話す鷹斗、そして結衣はなにそれ〜と笑っていた。
そこでひとまず挨拶程度の会話を終え先程と同じように曲に合わせて踊りだすのだが踊り出してすぐに鷹斗は結衣と杏の踊りの違いに気付いた。
先程まで一緒に踊っていた杏は口うるさいものの踊りの面はしっかりとリードしてくれて鷹斗は杏の動きに合わせるだけだった。
だが結衣は自分が動くというより相手に合わせるという感じでリード等わからない鷹斗はどうしたものかと少し悩むが先程まで上手いやつと踊ってたいたのだ、取り敢えず杏の真似をすれば良いか、とさっきまでの杏の動きを見よう見真似で再現する。
すると結衣は多少ぎこちないであろう鷹斗の動きにしっかりと合わせて踊ってくれ、現状2人の踊りは踊りとして成立していた。
「鷹君上手だね!これはよっぽど杏にしごかれたと見た!」
結衣はニコニコしながら鷹斗に喋りかける。
「んー、まぁそうだね、でも結衣が上手に合わせてくれるから助かるよ」
「そんな事ないよ?涼介とやった時はここまで合わなかったもん」
そう言って結衣は少し顔を赤くして鷹斗を上目遣いで見る。
『・・・・何だこれは、可愛いすぎる。』
落ち着け俺、と鷹斗は自分に言い聞かせて冗談で結衣に言葉を返す。
「あはは、なら涼介よりは上手いのかな俺?」
だが結衣はこの言い回しが少し気に入らなかったのか
「そういうんじゃ無いんだけどなぁ・・・・」
と呟き少し沈黙の時間が出来てしまう。
そして鷹斗と結衣がそんな沈黙で踊っている中、外野は先程の杏の時より騒がしくなっていた。
男子生徒A「中々踊ってくれる人居ねぇな・・・・」
男子生徒B「俺達何の為にここにきたのだろうか・・・・」
男子生徒C「本当にそれな・・・・てかあっち何か騒がしくね?」
男子生徒A「本当だ、何かあったのか?行ってみるか」
男子生徒B「おーい、何かあったのか?」
男子生徒D「あ、お前らも来てたのか・・・・おい、あれ見てみろよ」
男子生徒C「あれって我らがヒロイン神ノ木さんじゃないのか?」
男子生徒E「それは誰もが見ればわかる、問題はそこじゃない、相手を見ろ・・・・」
男子生徒A「遂に内藤が長きアタックの末に想い叶えたのか!?」
男子生徒B「おい・・・・あれ黒山じゃね?」
男子生徒A C「「またお前か!!」」
男子生徒D「また?どういう事だ?」
男子生徒A「いや、俺らさっきもこの辺回ってたんだけどよ」
男子生徒E「お前ら・・・・可哀想な奴らだな」
男子生徒A「今そこには触れないでくれ・・・・んでその時に楠さんが踊ってるのが見えたから相手が誰かと思って見たら正に今神ノ木さんと踊ってる黒山だったんだよ」
男子生徒D E「「な・・んだと?」」
男子生徒C「しかし何でアイツばっかり?実家金持ちか?」
男子生徒B「おい、我らが神ノ木さんをそんな汚れた女と一緒にするな!」
男子生徒C「いや怖ぇよ、別に金持ちなら取り入るのはそんなに悪い事じゃねぇと思うけど・・・・」
男子生徒D「楠ならあり得る話しのような気もするが神ノ木さんはそういうのじゃないだろ」
男子生徒E「俺、黒山に林間学校終わったら話しかけてみようかな・・・・」
男子生徒A B C D「「「「何故!?」」」」
男子生徒E「いや、どっちかおこぼれ貰えないかなぁって・・・・それにあの2人と接点出来るとか最高じゃね?」
男子生徒A B C D「「「「確かに!」」」」
そう言って男子生徒達は誰が鷹斗に話し掛けるかジャンケンをし始めた。
そして男子生徒とは離れた所では女子生徒も話しをしていた。
女子生徒A「ねぇ・・・・黒山君って何者?」
女子生徒B「ごめん、わかんないランプの魔人でも呼んで契約したんじゃない?」
女子生徒C「何か急に黒山君が眩しく見え始めたよ・・・・」
女子生徒A B「「わかる!!」」
女子生徒A「でも実際本当に何で何だろ?実家金持ちとか?」
女子生徒B「それは杏ならわかるけど結衣はそんな子じゃないでしょ」
女子生徒A「まぁそうよねぇ」
女子生徒A B C「「「何にしても謎すぎる!!!」」」
そんな会話が行われているとは当然知らず鷹斗はこの沈黙をどうしたものかと考えていた。
すると結衣がクスッと笑い口を開く。
「そんなに難しい顔して話し考えなくても思った事話し掛けてくれたら私何でも答えるよ?」
どうやら鷹斗は悩みすぎて顔に出ていたようで結衣はそんなに悩まなくてもと言ってくれ、鷹斗は少し気が楽になり会話を始める。
「ごめん、でも実際どんな話ししたら良いのかわかんないからさ、結衣は喋りたい時ってどんな感じで会話始めるの?」
「何でも答えるとは言ったけど何か人生哲学みたい難しい話しだね!うーん、私は相手を傷つけちゃうような事以外は何でも思った事そのまま喋るかなぁ」
回答としてはどうなのだろうか?と鷹斗は少し疑問を抱きながら「そっか」と返す。
「ならさ!折角だし軽い質問し合いっこしよっか!」
唐突に質問をし合おうと言う結衣、自分の事を聞かれるのは何だか恥ずかしいなと思う鷹斗だったが他に話題があるわけでもないので
「うーん、じゃあそれで」
了承の言葉を言う。
「じゃあー、鷹君の好きな食べ物は?」
「え?あー、ハンバーグとか唐揚げとかかな」
好きな食べ物て・・・・俺ならこんな簡単な質問しようものなら一瞬で空気を冷やせる自信がある、だが不思議と結衣が言うと別におかしく感じない・・・これがリア充というものなのだろうかと鷹斗は思う。
「ふむふむ、ハンバーグと唐揚げね!じゃあ好きな事は?」
「ゲーム」
「あ、うん、まぁそうだよね!じゃあ休みの日とかゲーム以外で何かしてる事とかある?」
「んー、寝てる?」
「鷹君・・・・不健康だね・・・・」
「まぁそうだね・・・・」
何を聞いてもゲーム、寝てるの回答がほとんどになると感じた結衣は質問を少し考え口にする。
「ん....と、じゃあ好きな人とかいる?」
「・・・・」
予想外の質問に鷹斗は目を見開いて結衣を見ると結衣は少し頬を赤く染め鷹斗を見ている。
とりあえず何か答えなければと思い鷹斗は特に何も考えず質問に答える。
「えっと、うん、まぁ多分」
「多分??」
多分と言う言葉が引っかかったのか結衣がそこに触れる。
「うん、多分その人の事好きなんだと思うんだけどさ、自分と存在が違いすぎて好きになる事自体が駄目なんじゃないか?ただ憧れてるだけなんじゃないか?って思って結局よく分からない感情なんだけどね」
鷹斗は自分の抱いている感情をそのまま口にする。
「そっかぁ・・・・鷹君好きな人いるんだ、憧れかぁ・・・・えっ!?」
結衣は鷹斗の回答にそっかぁと言いながらも何か気になる事があったのか少し気まずそうに聞いてくる。
「ひょっとして杏?」
「断じてそれは無いと言い切ろう」
結衣の言葉から出た『杏』という単語に鷹斗は即座に否定する。
結衣は鷹斗の気になる人を当てたいのかムムムッと考えているので鷹斗は先程何故に杏の名前が出たのか少し考えると確かに杏の名前が出てもおかしくはないなと思った。
ルックスは勿論持ち前の明るさは鷹斗とは相反するものがあり、確かに憧れというのは理解出来る、だが鷹斗は杏の事は結衣の親友で気の良い友達としか思っていない。
そんな事を思っていると結衣が再び何かに気づいたような顔をしてその後焦ったような顔をして恐る恐る口を開く。
「えっと・・・・涼介?」
「頼むからそんな方向に持っていくのはやめてくれ。。。」
まさかのホモ疑惑をかけられ鷹斗はこのまま自分に質問され続けたらロクなことにならないか当の本人にたどり着かれてしまうと感じ、今度は自分から結衣に質問を投げかける。
「とりあえず俺の質問はここまでね、俺も結衣に質問しても良いかな?」
「えっ?あっ、うん!何でも聞いてくれたら答えるよ!」
結衣は鷹斗に質問しても良いかな?と言われた事でひとまずこの話しは置いておく事にして鷹斗の質問に身構える。
「結衣は花だったら芝桜とか好きって言ってたけど他に何か好きな物とかあるの?」
「うーん、可愛い物全般になんでも好きだけど強いて言うなら本が好きかな!」
結衣から返ってきた本という回答に少し驚いたが鷹斗はそのまま会話を続ける。
「へぇ、だから図書委員なんだ、何か意外だなぁ」
「あはは、そうだね、でも昔っから本が好きって訳でも無いんだよ?」
「そうなの?」
「うん、私もね、好きな人が居るんだけど昔その人と一緒にある絵本を読んだんだけど、その絵本が凄く面白くてね、そこから本が好きになったんだ!」
結衣は本を好きになった理由を答えてくれたが鷹斗はそこではなく別の所が気になってしまう。
『結衣、好きな人いるのか・・・・』
何も言わずして振られたような気分になり少し鷹斗は落ち込んでしまうが元々不釣り合いと考えていたのもあった事から『そりゃそうだよな』と割り切って別の質問をする事にした。
「そういやさ、朝学校に集合した時に俺の母さんの名前呟いて無かった?」
鷹斗は今朝結衣がスルーした件を掘り返して聞いてみると結衣の体がビクッと反応する。
「・・・・」
先程まで何でも答えると言っていた結衣が黙りこんでしまうが鷹斗はこれで結衣と詩織が知り合いという事を確信した。
「気のせいじゃ無かったんだね、結衣は母さんと知り合いなのか」
「・・・・」
結衣はまだ黙ったままで気がつけば踊りもやめて立ち止まっている。
一体何がどうしたというのだ?と鷹斗は思いながら取り敢えずこの話が悪かったのでは?と思い話しを無かったことにしようとする。
「あ、いや、なんかよくわかんないけど別にちょっと気になっただけだから」
別に言いたく無かったら言わなくて良いからと鷹斗は付け足す。
すると結衣は下を向きながらなにやら呟いて何かを決めたような表情で鷹斗の方に向き、ようやく言葉を発する。
「ねぇ鷹君・・・・」
「あ、うん、なに?」
ようやく言葉を出してくれて鷹斗は少しホッとする。
「私達、昔遊んだ事あるんだけど覚えてる?」
「えっ?俺と結衣が?」
突然結衣は昔に鷹斗と遊んだ事があると言い鷹斗に覚えているか?と確認をするが鷹斗は思い返しても結衣のような女の子と遊んだ記憶は無く、疑問形で返す。
「うん、小学校4年生の時なんだけどね、夏休みに|3人
《・・》で3日間だけ遊んだんだ」
そこで鷹斗は少し嫌な予感が脳裏を過ぎる。
思い出したくない過去、その中に結衣がいるのだろう。
鷹斗は確認のために恐る恐る質問をする。
「あの・・・さ、もう1人の名前・・・聞いても良い?」
鷹斗の質問に結衣は少し間を空けて返事をした。
「東雲 有栖ちゃんだよ・・」
結衣から出たその名前を聞いて今度は鷹斗が黙りこんでしまった。
調べるか・・・・




