4人でFCO
4話目〜
「おまたせ〜2人とも早いねぇ〜」
「ううん、私も今来た所だから」
「俺も今さっきだよ」
昨日グループlimeで4人でFCOをしようと決めてから一夜明け、鷹斗達は4人で遊ぶため約束通り合流していた。
「取り敢えず揃ったのは良いけどどうするの〜?」
「そうだね、私達よくよく考えたら具体的な事決めてなかったからね」
「まぁ取り敢えず初心者の街に移動しとく?涼介もその内くるだろうし」
鷹斗が『涼介もその内来る』と言ったように現在は涼介以外の3人が集まっている状態だ。
本来は11時に初心者の街の噴水広場に全員集合だったのだが『今日合流してから4人で何をするのか3人でちょっと早めに合流して決めよう』とのlimeが結衣から入って現在に至る。
ちなみに時刻は10時ぴったりである。
「まぁTAKA君がそうしたいならあたしはそれでいいよ」
「私も特に異議なしかな!どっちにしても行くわけだしね」
「じゃっ、取り敢えず初心者の街に移動しますか」
ひとまず移動先が決まったので3人は転移門に行きそのまま初心者の街へと向かう。
「何か定期的にこの街に来てる気がするな」
街に着き鷹斗は思った事を口にする。
「あはは、TAKA君その装備で初心者の街に何度も来てるってひょっとして自慢?俺の装備を見ろ!的な優越感に浸りに来てるの?」
「色々あったんだよ」
「あはは、その節はご迷惑をおかけしまし
た・・・・」
からかう杏に説明が面倒くさいので流す鷹斗、そして思い当たることがあるので謝る結衣、なんだか話が逸れそうなので鷹斗は話を戻すことにする。
「いや、気にしてないから気にしないで、てかどうする?取り敢えず目的は作りたい所ではあるが」
「ん〜、私はまだこのゲームあんまり詳しくないし私も教えてもらってる側だし、鷹君と杏に任せるよ!」
「そっか、キョウ、どうする?何かしたい事というかするべき事ある?」
「そーだねぇ〜、正直結衣はともかく、涼介にゲーム教えるのに時間使いたくないんだよねー」
・・・・涼介、お前も色々と大変そうだな
「そっか、だとしても涼介は流石に昨日の今日だからレベル1だろうし、取り敢えずレベル上げながらエレイアの街に向かうって方向しか無いんじゃないか?」
鷹斗の発言に杏は何か考えながら『そうだよねぇ・・・・』と同意する。
「まぁ私も杏の魔法でズルしてエレイアの街に行ったから他の街とかフィールドとか知らないからちょっと気になってるしそれでも良いよ!」
結衣の方も特に異論はなさそうで、これで決まりかなと思った時に杏が『あっ!』と口を開く
「ねぇねぇ!エレイアの街に【エレイア護衛クエスト】ってのがあるんだけど、それやらない?」
何を突然言い出したかと思うとエレイアの街でクエストを受けようとの事だった。
ちなみに【エレイア護衛クエスト】と言うのはPT参加型のクエストでソロでは出来ないので鷹斗はやった事がない。
内容は国王の娘であるエレイア主催の舞踏会でのエレイアの護衛だ、ただ護衛と言っても実際の所は何も起きず戦闘など起きないただの舞踏会を楽しむストーリークエストみたいなものだ。
何故そんなクエストに?と思い杏に理由を聞く。
「キョウ、あれって確か舞踏会をただ楽しむ的なクエストだよな?何でそんなクエストやりたいの?」
「ん〜TAKA君は流石引きこもりだね、回答が0点だよ」
「それは悪ぅございましたね、で何で?」
「TAKA君はどうせまだ林間学校のしおり読んでないだろうから知らないと思うけどさ、夜にキャンプファイヤーがあってね、まぁ踊りたい人はなんか適当に踊れば?的な感じなんだけど、どうせ4人で集まるわけだし予行演習で踊りの練習どうかな?って」
「杏!それいいよ!それにしよう!」
杏にしてはまともな理由で結衣もお気に召したようで女性陣は舞踏会に行く気満々になっている。
だがクエスト参加において問題点がある事に気付いた鷹斗はそれをどうするのか確認する
「取り敢えずクエストに関してはわかったけど、あれって確かレベル15以上が受注条件じゃなかったっけ?」
「ふっふっふ!甘いねTAKA君、あたしがそんな事を知らずに口を開いたと思うかぃ?これを見たまえ!」
そう言って杏は懐から依頼書のような物を取り出す。
鷹斗はジト目で杏が懐から出したクエスト依頼書のようなものを見るととんでもないクエストがそこには書かれていた。
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ユニーククエスト
メタル系モンスター大量討伐!
クエスト内容→クエストを受注した瞬間から使用者のPTは修練フィールドに転送されます。
そして修練フィールドに30分間大量にメタル系モンスターが現れますのでモンスターを討伐して下さい。
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「まじかよ・・・・」
鷹斗は驚きのあまり言葉が詰まる。
ユニーククエストとは各ユーザーが各々違ったクエストを一週間に一度だけ受けれるというクエストだ。
各ユーザーと言ってもPTを組んでいれば同じクエストには参加は出来る。
そして杏のユニーククエストはメタル系モンスター大量討伐、これは現状確認出来ているユニーククエストの中でも大当たりの部類で参加PTはメタル系モンスターの大量討伐でかなりの経験値を稼ぐ事ができる。
「ヒキ強すぎだろ・・・・」
「日頃の行いだよ」
確かにこれならば結衣も涼介もおそらくレベル15になるだろうと思っていると横から結衣も口を挟む。
「あの・・・・私も同じの持ってるけど、これっていい物なの?」
そう言って結衣も依頼書を取り出しその文書は杏と全く同じ物だった。
「2人ともどんなヒキしてんだよ、まぁ結衣はLUK高いからありえるのか・・・・」
はぁ・・・と鷹斗は己との差に愕然とする。
ちなみに鷹斗のユニーククエストはゴブリン討伐【ゴブリン五体討伐で1000G】と世に言うクソクエストだった。
「まぁ何にしても確実に2人ともレベル15にはあげられるよ、でもさキョウ、結衣と涼介は死なれたら経験値入らないしキョウは僧侶だしどうやってメタル系倒すの?」
クエスト自体は確かに優秀だが問題の討伐要員が居ないことに疑問をぶつける。
「何言ってんのTAKA君?全部君が倒すんだよ?」
・・・・この性悪ドS僧侶め
「いや、流石に厳しくないか?」
「TAKA君確か「斬鉄斬」持ってたじゃん、無理じゃないでしょ?それに補助はちゃんと入れるから安心してよ」
「あんまり稼げなくても文句言うなよ」
「あたし以外は誰も言わないと思うから安心して!」
・・・・お前は言うのか
そう思った鷹斗だが実際メタル系討伐を二回で1時間狩り放題、これはめちゃくちゃ美味しいのでおとなしく頑張る事にする。
そんなこんなで方針が決まった所で丁度噴水の前に一人のプレイヤーが現れ、名前の表示バーを見て全員その人が涼介だと察知する。
《内藤 涼介》
・・・・こいつアホだろ、そう思い近づくのをためらう鷹斗、隣ではゲラゲラとお腹を抑えて『最高だよ!涼介!期待を裏切らないねぇ』と笑っている杏、そして結衣は涼介を見て自分も似たような事をしているのか、と思ったようで顔を赤らめている。
3人揃って遠目から眺めていると内藤涼介は鷹斗達に気づいて手を振りながらこちらに近づいてくる。
「おーい!鷹斗、杏、結衣、待たせて悪いな!俺だ、涼介だ」
・・・・分かってるよ、ご丁寧にフルネームで表示されてるからな。
しかしネトゲ初心者というものはどうしてもチャットのシステムを理解出来てないようなのでひとまず涼介をPTに加えてチャットの説明をする。
「はぁ〜!なるほどな!悪いな皆!」
「いやまぁ俺は良いけど」
「まぁ私も一緒の事鷹君にやっちゃったし」
「一回死ね」
ひとりだけ明らかに殺意のこもった発言が混じっている、てかさっきまでゲラゲラ笑ってたのに急に真顔とか怖すぎる。
「まぁ取り敢えず全員集まったし涼介には色々とやりながら説明するから取り敢えず今から出るアイコンにオーケーを押してもらっていいか?」
『"杏"さんからクエスト同行の申請が届きました、このクエストは特殊エリアへ移動します、承認しますか? OK/拒否』
涼介は分かったと答えOKを押す、そして全員がOKを押した所で鷹斗達は修練フィールドへと転送される。
修練フィールドは古代ローマの闘技場をイメージしたようなフィールドで結衣と涼介は『おぉー』とキョロキョロとしているが鷹斗にはそんな暇が無かった、移動した瞬間からクエストは開始されるからだ。
「さーって!TAKA君後は宜しくね!」
頑張れ!と敬礼する杏
「いや、補助はかけてよ。。。。後回復も」
「はいはーい、TAKA君はあれしてこれしてとわがままだねぇ、、、『プルード』はい、攻撃力上げといたよ〜」
「私も出来ることこれくらいだけど、『ドルヒ』貫通力上げたよ鷹君!頑張ってね!」
なんだろう、二人とも補助魔法かけてくれたのにそれぞれに対する感謝の感情が全く違う。
鷹斗はそう思いながらも取り敢えず目の前の鉄のスライムを倒す、『斬鉄斬!』
斬鉄斬はメタル系モンスターに攻撃時ダメージを5倍与えるスキルだ、そして結衣のかけてくれたドルヒの貫通力は相手の防御を無視して通常与えられるダメージを与えやすくする呪文だ。
つまり上手いこと噛み合えばメタル系モンスターを一撃で倒せる。
戦闘が始まった事もあり結衣達は杏の指示に従い後ろに下がり杏はいつぞやの時の結界魔法を使っている。
「TAKA君、後は任せたよ、んじゃ涼介には今からの予定と簡単な操作説明するからこっち来て」
どうやら本当に鷹斗だけに戦闘を任せるつもりらしく、杏は涼介に今後の行動を説明し始めていた。
そして結衣は鷹斗の勇姿を後ろから応援していた。
「鷹君頑張れ〜!」
・・・・頑張るしかないな!
そう思い目の前のメタルボアーを斬鉄斬で倒す鷹斗であった。




