冬の風
「なっなんだって?クリスマス!?」
男はため息混じりに言った。
「あなたは約半年間原因不明の昏睡状態だったんです。」
「はぁ?...俺、なにも覚えて...」
「ツ!?...そうですか...」少し驚いた様子で淡々と男は俺が昏睡状態になるまでの事情を話始めた。
男によると、砂浜で会った少女は逃走中のお嬢様だったらしい。お嬢様が襲われてると勘違いした捜索隊が俺を撃って、それに気づいたお嬢様が誤解を解き、逃走を断念した。ということらしい。
「ちょっと待ってくれ、じゃああの少女はお嬢様だったのか?てか、何で逃走してたんだよ、捜索隊って?何で撃ったの?はぁ...俺の人生最悪だ。成績出ないだろうし...」
「心配は無用です。傷も完治してますし、学校は転校になるので、明後日から寮に移って貰います。明日には退院できますよ」
男は不適な笑みを浮かべた。
「なっ、転校!?」
「はい、あなたは明後日から紫緒堵萠学院の高等部へ転校することになりました。詳細は面倒なのではぶきます。」
「あぁ、申し遅れました。私三咲お嬢様の執事をしております。瀬戸ともうします。」
「はぁ...」
(もうどうでもいい、学院ってことは私立かな、転校になったのは多分成績が出ないのと、あの少女が何かやったんだろう)