サバイバル2
彼女が健人に斬りかかる。
しかし、後ろから良太が突撃銃で撃つ。
彼女はそれを避けながらそのまま突撃する。
「こいつ銃弾が当たらねぇ」
良太が言う。
(銃口から射線を読んでるな。)
健人は思いながら迫る剣閃ナイフで受け流し、蹴りを放つ。
しかし、彼女は直刀の柄で蹴りを弾くとそのまま膝蹴りを放つ。
(剣術だけじゃなく体術までこなせるのか)
そう思いながらガードし、そのまま距離をとる。
「今の膝蹴りに反応できるなんて本当にあんた何者なのよ。」
「何者でもないただの一般生徒だよ。」
健人はなんでも無いような感じで言うが彼女はイラついたような表情で言う。
「あなた、やっぱり気に入らないわ。」
そう言って再び斬りかかる。
しばらくの間、撃ち合い斬り合いが続く。
状況は健人たちが押していた。
(このまま押していれば勝ってしまうな。目立つのは避けたいのだけどな。)
健人はそう思いながらも剣閃を受け流し、良太がその隙に射撃する。
彼女はイラついた表情をしている。
「嫌な戦い方をするじゃない。いいわ、私も本気で相手してあげるわ。」
そう言って先ほどと同じように斬りかかってくる。
(さっきと何も変わってないようだが)
健人は迫る剣閃を受け流そうとするとナイフを持つ腕の動きが止まる。
「なに!」
健人は驚いて腕を見ると盾が腕を挟み込むように生成されている。
「もらった。」
その隙をついた彼女の横薙ぎが腹部を捉える。
しかし、キンっと金属音が鳴りそのまま健人は吹き飛ばされる。
「健人、無事か?」
良太が大声で叫ぶように言う
(一応ワイヤーを体に巻いてて良かった。これが仮想空間での戦闘か。)
そのまま起き上がって見ると良太に彼女が斬りかかっていた。
突撃銃で撃つが銃撃は避けられ距離を詰められ剣閃が迫る。
「ちっ。」
良太はとっさの反応で突撃銃を盾にするが銃を両断され袈裟斬りをくらう。
「ぐっ、まだだ」
良太は小銃を抜き、近距離で撃つ。
しかし彼女は跳躍して避ける。
そして空中に盾を生み出しそれを蹴って加速し、そのまま良太の首を刎ねる。
「ちくしょう」
そう言って良太の体が消滅する。
その様子を一瞥もせず彼女は健人の方を見る。
「さて、邪魔者はいなくなったし後はあんただけよ。」
そう言いながら彼女は近づいてくる。
「あんた、かなり戦いなれている感じがするわ。実戦経験でもあるのかしら?」
「さて、どうだかな。」
「話すつもりは無い様ね。なら斬るわ。」
彼女はこちらに向かって駆け出す。
(さて、どうするか。彼女を倒すと目立つからな。取りあえず…逃げるか。)
健人は脱兎のごとくその場から逃げ出す。
「あ、ちょっと待ちなさい。」
彼女もそのまま追いかけて来る。
「待てと言われて待つやつがいるか。待ったら斬られるだろ。」
「斬るから待てっていてんのよ。おとなしく斬られなさい。」
「だからそんなこと言われて待つ奴がいるか。」
そうして彼女との鬼ごっこが始まる。