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ディスプレイの淡い光が浮かぶ薄暗い部屋。
この部屋に引篭りつづける男は、もう我慢できなくなっていた。
毎日、毎日、少女のことばかり考え、何度も妄想と射精をくりかえした。
安っぽい妄想をたくさんした。
偶然二人は再会して、少女から「大丈夫でしたか?」と声をかけてくる妄想。
少女がワゴン車に拉致されそうなところを助ける妄想。
実は少女は遠い親戚で、ある日突然、兄妹として生活をはじめる妄想。
二人だけどこかの異世界にとばされて、冒険をする妄想。
そんな身勝手で自分本位な妄想ばかりだ。
最後には決まって二人は恋におちて、体を重ね合うのだ。
布団や枕を少女にみたてて射精することもあれば、午前八時五分頃に双眼鏡で少女を眺めながら射精したこともあった。
そんな卑猥な妄想にとりつかれるうちに、「もしかしたら……」と得体のしれない希望がうまれていった。
最初は、意味もなく通販で購入したコンドームだった。
万が一、少女とそういう展開になったときに、コンドームの着け方がわからなければ困る。少女はまだ中学生だ。しっかり避妊してやらなければいけない。
……でも最初の一回だけは生でしてもいいかもしれない。きっと少女もそう願うはずだ。
つぎに、童貞だった男は不安になった。
自分はちゃんと性交ができるのだろうか。
性欲には自信がある。
でもちゃんとできるかは、また別の話だ。
緊張で勃起せずに、失敗することもあるという。
また自慰行為をしすぎると、膣内射精障害になると聞いたこともある。
だから男はオナホを購入した。
腰を振れるのか。
中でいけるのか。
実際に確かめてみようと思ったのだ。
本来であればスラムの売春宿にでも行けば済む話だったが、男にとって、それはハードルが高すぎた。だからオナホにした。
結果は、微妙だった。
オナホの中でいくにはいけたが、手淫のほうが硬さも持続でき、気持ちいいように感じた。
何だかイマイチだった。
少女とする時に、まさか失敗するのではという不安が大きくなった。
自分ももう三十歳をすぎている。
衰えを感じないと言えば嘘になる。
昔は何度でもできた気がするが、いまでは自慰行為の回数はあきらかに減っている。
不安が大きくなった。
だから最後に、男はクスリを買うことにした。
はじめはED薬を買うつもりだったが、どうせ買うなら快楽を促進するものがいいと考え直した。合法だとか非合法だとかはあまり考えなかった。
ネット上で必死に調べた。
どれが一番いいのか。
右手でマウスを持ち、左手で自分のソレを握りながら、PCにはりついて調べた。
そうして辿りついたのが『ファンタジー』という名前の合成麻薬だった。
『一晩中やりつづけても萎えない』という売り文句よりも、『女であれば一晩中イキ狂う』というところに魅力を感じた。
まずは処女のまま抱いてやり、その次にファンタジーを使って快楽を教えてあげたい。
少女もきっと喜んでくれる。
愛はより深まるはずだ……
念のため副作用についても調べておく。
アングラ系サイトの裏掲示板では、使用者のレビューが投稿されていた。
依存性は男よりも女のほうが高く、一度使うとまず間違いなくハマり、乱れまくるらしい。
レビューを読んでいるだけで、男は興奮した。
金ならある。
もしも少女に求めつづけられたとしても、満足させてやれなくなる心配はない。ファンタジーさえあれば、少女は離れられなくなる。
男は信頼度の高そうな業者を探し『ファンタジー』を購入した。
◇◇◇
そして数日前に、それが届いた。
しばらくは母親を警戒して自室の押入れにしまっていたが、問題なさそうなので、開封することにした。
郵送伝票には『美容薬品』と書かれている。
梱包を破くと小さなダンボールがあり、開けると白い粉末が入った小袋が六個はいっていた。
ご丁寧に使用方法の説明書までついている。
鼻から吸引する方法。
注射器を使う方法。
コンドームをつけたペニスに塗って使う方法。
――様々な方法があったが、『初心者はまず鼻から吸引する方法がオススメ』と記載されていた。
試しに使ってみようと考えたが、せっかくだから自慰行為をしばらく禁止してから使おうと考え直した。
そして八時五分の少し前に使って『少女を眺めながら射精しよう』と、男は考えた。




