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しあわせバトン

しあわせってなんだろな?

作者: 三稜 諒

 世間様ではクリスマスというのですよ、今日は。

 ──にも関わらず、何故あたしはこんなところでやけ食いをしてるかね!

 亜美がやけ食い大会を開催している会場は近所の焼肉屋さん。クリスマスに一人牛をモリモリ食らうという、周りからかなりひかれてる状況だ。いいの。牛さんは今日も変わらず美味でしてよ。

「すみませーん!タン塩ください!」

 だから、タン塩の皿が三皿目になったっていいのだ。



 そもそも、なんでこんな大会が開催される羽目になったかというと、彼氏だと思っていた悠太が妻子持ちだったと発覚したのだ。昼間のことである。

 ま、じ、で!ふざけんな!!

 確かに某有名塾講師の林先生もおっしゃっていた。部屋に行ったことがない、イベントは嫌いだと一緒に過ごしたことがない等は不倫の可能性があると。

 しかし、まさか。まさかである。自分が当事者になるとは!

 イルミネーションを見に行った先で、仲良し親子を何気なく見たらそれが自分の彼氏だったという衝撃を忘れるべく焼肉をかっ喰らうくらいなんの問題もないのである。

「空いたお皿お下げしまーす」

 おぅ、にいちゃんかっこえぇやんけ。ちょっと笑ってみぃひんけ?と、心の中で盛大に絡んでたら店員のお兄さんが可愛らしくニコッと笑っていった。おぉう、念じれば叶うのか?奇跡。ていうか、さっきからあたしゃおっさん全開か!



 はー、たらふく食ったしそろそろ帰るか!

 コートを着てカバン持って準備完了。伝票片手にレジに向かうと、ちょうど先ほど可愛く笑ってったお兄さんがお会計してくれるらしい。

「二千三百円ですー」

 お会計を済ませてお財布にお釣りとレシートを入れて外に出ようとしたら、腕をひっぱられた。んん?なんか忘れものした?

「お口直しにどうぞー」とガムを差し出されて「あ、どーも」って面くらいながら受け取ったら耳許で「おねーさん、この後ひまですか?おれ、もう上がりなんですけど」って言われた。ふぁ?!ナンパ?

 驚いて固まってると、さらに「よかったら、店の前のコンビニで待っててください」とぼそっと言われてから「ありがとうございましたー」といい笑顔付きで、軽く背中を押された。



 まぁ、それが今彼との出会いなのですよ。

 あの時は二股にマジギレしてたから、いつもなら絶対ないであろうお誘いに乗っちゃった訳ですよ。あ、当然二股野郎にはその日のうちに絶縁メール投げてます。

 出会いがナンパだったし、まぁその日限りかなぁと思ってたら、びっくり現在三年目。

 それでいまは初詣の列に並んでるんですよ、ふたりで。わーほんとびっくり。

「亜美さん、なに願うの?」

 そいつぁ教えらんねーな、とあたしは笑う。

「えー、けち。おれはねー、亜美さんと結婚出来ますようにって願うんだ。叶うと思う?」

 叶うよ、叶いますとも!

 今年も友春とあたしにとって素敵な一年でありますように!



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