表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ばんぱいあヴァンパイア  作者: 葉月
最終章 ツナグミライ
50/109

鎹双弥

本編完結。四年後。


『鎹双弥』

『進藤つなぐ』

『むらむらと… vorbesc.鎹・名々賀』


の三話で終了です。

繋がっているので三本とも同時投稿です。

一応本編完結ですが、本編完結後、番外編で『ある方』の話があります。


「双弥!」


その声に俺が振り向くと同時に、俺の顔めがけて鞄が飛んできた。それを俺はぎりぎりで頭を下げて避ける。


「っおわ!」

「反射神経は死んでいないようだ」


俺が避けたのを満足げにうんうん、と頷くそいつ。「お前な」と一言言ってやりたかったが、そいつは聞く気もなしで鞄を拾い上げ俺の肩を叩いた。


「双弥。そろそろオタク系から抜け出して、俺達の所へ来い」


俺はじとりと睨む。


「俺はオタク系になった覚えはないが」

「吸血鬼信者のどこがオタク系じゃないんだ?」


吸血鬼信者。

信者になったつもりはない。だって俺は、ただ探してるだけだから。

吸血鬼を。


「双弥…、そこだけがお前の悪い所だ。顔もいい。頭もいい。性格も、一部を除けば良好だ。だからな…、いいかげん夢から覚めろ。吸血鬼なんていないんだよ、この世界には」


それだけ言って、そいつは「じゃあ、また明日な」と走り去っていってしまった。


吸血鬼なんていない。

夢から覚めろ。



「夢じゃねーし」


俺は呟く。








あれから四年。

四年が経ち、高校を無事に卒業した俺は大学生になっていた。

二十二歳。もうあと数カ月かで二十三にもなる。月日が流れるのは早い。高校生だった自分が随分遠く感じる。



あの日、

進藤がいなくなった日。俺は進藤がそのまま消えてしまうだなんてあの時は思ってもみなかった。

吸血鬼の目を使われ、気が付いたら進藤がいなくなっていた時、明日文句の一つでも言ってやる、とその時は思っていたのだ。

だから、次の日から進藤が学校に来なくなって、俺はただただ言葉を無くした。だってそうだろ。そんなの、誰も考えない。


進藤の鞄だけが学校に残されていて。

俺はそれを進藤の家まで届けに行った。


進藤の親に進藤のことを聞いた。家にも帰ってはいない。だけど、心配ないと進藤から連絡はあったようだった。「あの子にも、色々あるから」。進藤の親はそう言って、いなくなった進藤を探すことはしていないようだった。

進藤は、自分が吸血鬼であることを親は知らないと言っていたが、この雰囲気だと、もしかしたら進藤の親は知っていたんじゃないかと思う。進藤が吸血鬼であると。だから、いきなりいなくなっても、何も行動を起こさないのかもしれない。「あの子が心配ないと言ったから、心配ないと思います」

そう言った進藤の母親の顔は、自分の子供を心の底から信じているといったような顔だった。


進藤の親も、進藤の居場所は知らないらしい。


何処に行ったのか、誰にも分からない。親も学校も友達も。そして俺も。



それでも月日は流れていって。

時間だけは否応なく過ぎていって。



高校を卒業した俺は志望していた語学系の大学に合格した。




大学に合格して、勉強して。

そして俺は進藤を探している。







「お前、周りから何て呼ばれてるか知ってるか?」


講義が終わりノートや筆記具を鞄に片づけていると、横に座っていた知り合いにそんな事を聞かれた。


「…さぁ?」

「さぁ、って。…お前は周りの女子をもちっと気にしろ。顔もいい、頭も良い、実はスポーツもそれなりに出来る。だけど残念な男。残念な男。そう言われているんだぞ、女の子達にっ」


残念な男、ね。


「そんなに俺って残念か?」

「自覚症状無い所が怖いよ…。あのな、別に吸血鬼が好きなのは構わない。吸血鬼同好会みたいな、吸血鬼に関することを調べているのも構わないと思う。それだけならな。それだけならまだいい。ただ…、ただな。ただ言わせてくれ」


なら早く言え。そう思いつつも黙ってそいつが続きを話すのを待ってやる。


「ただ…、ただっ、お前本気で吸血鬼がいると信じているだろ?」


いるからなぁ、と俺は苦笑する。こういう質問も、大学に入り何度されてきたことだろう。


「しかも日本に。ヨーロッパとかならまだしも日本だ。現代日本だ。この日本に吸血鬼がいると、お前は言っている。馬鹿か?いるわけないだろ。しかもお前、こともあろうにお誘いや告白を『吸血鬼が好きなんで』とかってわけの分からない事言って断っていたらしいじゃないか」


あぁ、そういえば。そんなこともあったな。

俺は感慨深く思い出す。

そして、俺がそう言ったら物凄く「は?」みたいな顔をされたっけ。何度かそれがあって、そしたらそれが広まって。そして俺は『残念な男』になったのだ。


高校生の頃、進藤に告白から逃げられた時点で既に『残念な男』な感じはするが。



「それでも、まだお前が好きな子はいるんだぞ?そこを除けば、お前はいい男だからだ。俺の次ぐらいになっ」

「……お前の次に、な」


俺は鞄を持って立ち上がり、講義室を出るため歩き出す。後ろから「いいかげん全うに生きろー」と叫ぶ知り合いに、はいはい、といった感じで手を振ってやり俺はその場を後にした。



「全う、か」


進藤を探して数年。俺はもう半ば諦めている自分がいることに既に気が付いている。何の手がかりもない。行きそうな場所も知らない。だから、『吸血鬼』というキーワードを手掛かりに探しているが吸血鬼など誰も知らないし、そもそも誰も信じてない。

いつか進藤が言っていた。

吸血鬼なんて存在、いるなんて信じない。吸血鬼であるというその行為を見ない限り、誰も信じないと。



全くもってその通りだった。

まさかここまでとは思ってなかったけど。


ため息をつく。

全うに生きろと言われてしまった。


「まっとうかぁ」


長く長くため息が出る。

進藤を探すのは無謀なのかもしれない。そもそも、本当に日本にはいないのかもしれないのだから。ヨーロッパ。あいつが言うように、ヨーロッパなどに行っているということも考えられるのだ。そうなった場合、本当に手がつけられない。世界なんて、探し始めたら何年かかるかわからない。何年とかの問題でもない。無理だと思う。見つけることは不可能だ。


やめることは簡単。

そしてやめようかと考えたこともある。もう四年も経ったのだから。経ってしまったのだから。

だけどこうやってグダグダと探し続けている。やめることをせず、ずっと探し続けてる。少しの手掛かりすらも掴めていないのに。


まさに雲を掴むような気持ちだ。

いや、空気。んー、原子?元素?


片手を前に突き出して空を掴む。


「…………」


何回かそれをやって、俺の口からはため息だけが零れた。手を下す。


まさにアホらしい行動。

全うに生きろ、と言われても仕方がない。


全うに生きて、進藤のことは忘れて、彼女でも作って、やりたかった留学もして。

あれは高校での淡い思い出なのだと、そう思うようにして。





そうやって、これからを生きて行くのか?






どさっ、と俺は木陰に仰向けに倒れ込む。辺りには芝生が良い感じに生えているので座り込んでいる奴らもちらほらいる。


「…まぶし」


太陽の光が木の葉の間から幾筋か伸びてきて目に入る。腕でそれを庇いながら目を閉じる。


多分、そうした方がいいんだろうなとは思う。進藤のことは忘れて、俺は俺で生きる方がいいのだと。俺は吸血鬼の事なんて何も知らない。何も知らないからこうやって無駄に時間だけを費やしている。進藤も言っていたではないか。進藤は吸血鬼で、俺は人間で。違うのだと。だから見つからないのだ。そもそも、生活事態も違うのかもしれないし。


見つからないと思う。

探しても見つからない。そんな気がする。


じゃあ、本当に諦めるか?







ふっ、と笑いが零れた。体に力を入れて上半身だけ、よっ、と起き上げる。


「……俺もそうとう未練たらしいな」


結局諦めないんだよな。

俺は。


そもそも。あの別れ方からして駄目だろ、と思う。嫌なら嫌で、そう言ってくれていたら良かったのだ。俺に最後まで言わせず、逃げるようにして進藤は俺の前から消えた。あと、嫌だって言ってたのに無理矢理俺の自由を奪いやがって。


不完全燃焼。


何も言えなかったし、何も言わせてもらえなかった。そして、何も聞いていないし聞けなかった。不完全燃焼過ぎるだろ。こんなの。文句の一つでも言ってやらないと俺は気が済まない。気が済まないんだ。



………まぁ、


「…こういうのを、未練っていうんだろうな…」


自分の未練がましさに、ははは、と渇いた笑いを零していたら、「鎹君」と女の子の声がしたので俺は顔を上げた。そこにいたのは、いくつかある講義の中で何度か見かけた事のある女の子だった。名前までは知らないが。


「何?」


俺がそういうと、女の子は困ったような顔で頭をかいた。


「あのね、言おうかどうか迷ってたんだけど…。アイツらが言ってこい、ってしつこいから」


少し離れた場所にいる数人の男女をちらりと見る女の子の顔は、睨みつけている感じだった。


「何?」ともう一度俺は問う。


「うん。あのね…、あのさぁ…鎹君って吸血鬼、探してるんだよね?」

「そうだけど」

「今、その、食堂にいる子がね。あー…、その、ソレを知ってる、って噂が」


ソレ、って。


「どこっ!?」


俺は立ち上がる。女の子はびっくりしたように少し後ろに引く。


「だ、だから、食堂…」


ばっ、と俺は身を翻し食堂へと走る。女の子は茫然としたようにその場で立ちつくしていた。そんなこと、俺は気にもしなかったが。



そして食堂についてから気付いた事がある。


「俺、その人の人相聞いてねぇ」


自分の馬鹿さ加減に体の力が抜ける思いだ。今から戻ればまだあの女の子はあそこにいるだろうか。…いないだろうな。


「どうするよ」


食堂を見渡す。

昼過ぎだから人は少ない方だが、それでも二十人ほどはいる。この中に吸血鬼について知ってる人がいるというのに、探すことも出来ない。こうなったら、一人ずつ片っ端から聞いて回るか?二十人ならすぐだ。


思い立って、俺はすぐに一番近くにいた人に話しかけようとした。だが、そうする前。少し遠くにいる人物が俺の目に入る。そしてどうしてだか自分でもよく分からなかったのだが、俺はその人物の所まで行った。


「あの」


俺は座っているその人物に声をかける。

その人物が俺を見た。子供だった。まだ中学生…よくて高校生ぐらいか。そのぐらいの子供。


「何か?」


その子はにっこり笑顔でそう言った。子供らしい笑顔。どうしてここにいるのだろうか。お昼でも食べに来たのか。


「あー…、のさ。君、吸血鬼って知ってる?」

「知ってるわ」


人の血を吸うのよね?

子供はそう言った。


「うん、まぁ、そうなんだけど…。そうじゃなくて」


何て聞けばいいんだ?

何処にいるか知らないか、って聞けばいいのか?

そう考えていると、子供が業を煮やしたのか苛々した口調で「さっさと聞きなさいよ。アンタホントに鈍いわね」と、ちっと舌打ちした。


「………」

「私が何回ここに来てたと思うの?私が何回貴方の前を通り過ぎたと思ってるの?鈍いにもほどがあるわ。貴方、ちゃんと探してるの?探す気ある?ないでしょ。実はないのね?探す気ないなら探す気ないって最初から言ってくれない?私だって言うほど暇じゃないのよ」


そこまで捲し立てた子供は、一枚の名刺らしき物を俺に差し出す。それを受け取ると、それは名刺じゃなくどこかの店のショップカードだった。


「貴方の探しもの、そこにいるから」


そう言うや否や、子供は立ち上がる。


「じゃ」

「あ、ちょ、ちょっと!」


そのまま立ち去ろうとする子供を俺は慌てて呼びとめる。


「俺の探しものって…」


子供は顔に苛立ちを隠しもしない。


「何なのよ。一から十まで全部説明しないといけないの?そうね。貴方を待ってた、その最初の時期だったら一から十まで話していたとは思うけど。貴方、気付くの遅すぎるんだもの。私にだって堪忍袋はあるのよ。堪忍袋の緒はもう既に千切れかけなのよ。それだけ、私が貴方に時間を割いたってことなのよ。分かる?」


それに俺が何か答える前に子供はまた口を開く。


「別に頼まれてやったこと、ってのじゃないし最終的にやろうって決めたのは私だし?だから説明とか説明とか説明をする義務とか義務とか義務とかあるのかもしれないけど、貴方の鈍さにほとほと嫌気がさしててこれ以上喋ってると余計な話までしてしまいそうだから、今貴方とは話したくないのよ。ま、縁があったらまた話せるかと思うわ」


そう言って、また「じゃ」と言って子供は行ってしまった。今度は俺も引きとめることはしなかった。

手の中にあるショップカードを見る。


「俺の探しもの…」


俺は食堂を後にした。











俺はお店の扉を開いた。

階段を下りて地下にあるお店。そこは小さなバーのようなお店らしかった。お客はまばらにいる。カウンターには店員らしき女の人が一人。グラスを拭いている。その人には見覚えがあった。その人物には見覚えがあった。

あの頃より髪は短くなっていて、あの頃とは違い眼鏡をかけてはいるが。

まず間違いない。


こっちには気付いていないようだったので、俺はカウンターまで歩いて行き椅子に座る。すると、その人物は目の前まで来た。そして、「ご注文は?」と聞きたかったのだろう。だけど、ご注文の「ご」で言葉は止まってしまった。


じっと俺は顔を見る。

眼鏡のせいか、細く見える瞳が今は大きく見開かれている。顔立ちも少し変わったか。


「久しぶり、進藤」


俺は名を呼んだ。


「か」


鎹君、と俺の名前でも言いたかったのだろう。だけど、「か」まで言った所で進藤が手に持っていたグラスが手から滑り落ち、床にぶつかりガシャーンッと割れた。


進藤が慌ててしゃがむ。カチャカチャと音がするのでガラスでも拾っているのだろう。そして、拾い終わったのかそれをカウンター裏に持って行き。



そのまま帰ってこない。


「…………」


さすがにカウンター裏とか、俺行けないんだけど。と思っていると、進藤がつんのめる様にして裏から出て来た。たたらを踏んでいる。


「ちょ、何で押すんですかっ?!」


背中でも押されたらしい。


それでも裏に戻ろうとする進藤を、裏にいるのだろう人物が入れじとバタンッと扉を閉めてしまった。

扉…、ついてたのか。

進藤はガンッ、と扉を蹴る。憎々しげに。


「………」


おいおい、さっきからガシャーン、とかバンッとかガンッとか。大きな音出していいのかこの店は。そう呆れていると、進藤がこっちに戻ってきた。俺の前で止まる。


「…久しぶり」


ぶすっ、とした顔でそう言う進藤。酷い顔だな。


「久しぶり」


俺はもう一度そう言った。それから暫く無言が続き、進藤が「どうしてここに?」と口を開いた。


「これ、貰って」


俺はショップカードを見せる。


「……誰から?」


進藤の目が細くなる。


「誰…?子供、かな。中学生か、高校生ぐらいの」


知らない子供。

そう言うと、進藤の眉間に皺が寄った。誰か知り合いにいるのだろう。そういう人物が。


「ここで働いてるのか?」

「……そう」

「いつから?」

「…二年、ぐらい前…かな」

「ふーん」


と、ここまで会話して、俺は何を世間話をしているのだとハタと気付く。こんな話がしたかったわけじゃないだろ、と。


「進藤」

「何?」


世間話で気が緩んだのか、進藤は普通に「何?」と口にした。


「俺に言う事があるだろう」

「…………?」


進藤が首を傾げる。本当に分からない、といった感じで首を傾けた。


……なるほど。そうか。忘れたか。忘れたのか。そうだな。お前、頭悪かったもんな。四年も前のことなんて、頭の中からすっかり消去しているということか。


俺は立ち上がり目の前にいる進藤の頬っぺたを摘み、ぐいっーと横に引っ張る。


「い、いひゃいっいひゃい!」

「お前の脳みそは既に過去の悪行を忘れ去っているようだから思い出させてやる。お前は俺が嫌がることをしたな。高校生の時だ。どうだ。思い出したか」


ぐいっーと横に引っ張る。良く伸びるな。

進藤がべしべしと俺の腕を叩くので手を離す。


「思い出したか」

「お、思い出した」


頬っぺたを擦る進藤。そして暫くしてから小さく「ごめん」と言った。


「謝ってすむ問題だと思ってるか?」

「………」


責めるつもりはなかったが、「ごめん」と言った進藤にそう言ってしまった。黙り込む進藤。俺も何故か続く言葉が出なかった。一言文句言ってやりたいと思っていたんじゃないのか?

沈黙の後、先に口を開いたのは進藤だった。


「…悪かったな、って思ってる。本当に、…ごめん。あの時は、私も…必死で」

「必死って?」

「………」


俺のその問いに答えない進藤。だから俺は言った。


「俺の告白を聞きたくなくって?」


俺がそう言った時、進藤の肩がビクッと上がった。じ、っと進藤を見てたから分かった。


「別に聞きたくないなら聞きたくないで、あの時そう言えば良かっただろ?」


そう言ってやる。

まぁ、そう言われてても俺は止めなかったとは思うが。


「…どうしてそう、言わなかったんだよ」


多分、俺は別にそんなことが聞きたいわけじゃないんだと思う。今更そんなこと、どうだっていいのかもしれない。だけど、俺は進藤の言葉が欲しかったんだと思う。あれから四年、色々考えた。進藤の考えが分かるようで分からない四年だった。随分長い四年だった。だから、進藤の口から聞きたいんだ。俺が考えた色々じゃなく、進藤が考えていた色々を。


俺は進藤を知りたいんだ。




だけどやっぱり進藤は何も言わないから。


だから俺が、言わないといけないんだろうなって思ったんだ。









「結構俺、頑張ったよなぁ」


微かに笑いながらそう言う俺を見る進藤を見る。高校生だった彼女は、今は大人になっていて。

ここが薄暗いバーだからだろうか。髪の毛がとても短くなっている彼女の顔の形や輪郭、首元。眼鏡ごしに見える彼女の瞳。


「…その眼鏡って伊達?」

「え、…あぁ、まぁ伊達みたいなもの、かな」


そう言って眼鏡に触る進藤の手ごと眼鏡を取って。


俺を見る。

そんな彼女を見ながら、俺は立ち上がり顔を近付け顔を傾け。






唇で唇に触れた。




「好きだよ」



そう言ってあげた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ