正三角形のホクロ
こんなことを想像したことはないだろうか。
物事、歴史、親、友達、仕事、今見ている映像さえもすべて作られたいつわりの物だとしたら……、
僕の名前はしん、17歳の何処にでもいるような男だ。
僕には生まれた時から左の肩より少し下に正三角形の頂点みたいなホクロが三つある。
気にはなっていたが友達に相談してみても「宇宙人につけられたんだぁ」とか言ってバカにするので気にするのはやめた。
僕にはいい親、友達、兄弟、環境で育ちなに不自由ない人生を歩んでいた。いや歩まされていたのかもしれない。あの事さえなければ今だって……、
ある日事件は起きた。僕が高校を登校しているときフラフラした車が近づいてきて歩道に上がり僕を跳ねた。その事は問題じゃない、問題はその後だ。
原因は居眠り運転だったらしい。ふざけるなって感じだね。
僕の体は全治1ヶ月の軽傷ですんだ。
問題というのは僕が入院しているときパンを買いに売店に行こうとしたとき偶然僕の担当の医者と僕の親が話しているのを目にした。
深刻な顔をしてたので隠れて話を聞いてみた。
「ホントに大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ!」
心配性だなぁと僕は思った。しかし、
「アイカメラはちゃんと写ってるんですか?」
「はい。右肩のマイクロチップも正常に機能しています」
はっ?
アイカメラ?マイクロチップ?
僕はすぐさま親に聞いてみた、
「それは、その、あれだよ、違う患者さんの話」
明らかに困っていたのでそれ以上は問い詰めなかった。
それから退院して僕は隠密にその謎をとこうといていた。
まず左肩のマイクロチップ、まさか僕のこの変なホクロと関係しているんではないか、
しかし、自分でとりだそうとするのは無理だったので、出来そうな事を考えた。尾行だ、ありきたりだが…
とりあえず親を尾行した、仕事場の名前は知ってる、内容は何となくしかわからないけど、
あるビルについた。僕の知ってる親の会社の名前だった。僕はほっとした。しかし、親がエレベーターに乗りこんだので行き先を確認する事にした。
7階だった、看板を見てみると[CL課]と書いてあった。
なんだぁと思ってエレベーターに乗り込もうとしたが警備員に止められて行けなかった。
仕方なく警備員に「CL課ってなんすか」と聞いてみた。「これはクローン研究しているところだよ」と言っていた。
違った。親から聞いていた仕事と違った。