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七話

 私は外門をくぐり抜け人気のない場所に行き結界を張った。そしてグリモワールを取り出した。


「さて、スレイプニルを召喚しますか。あ、でも……あいつらも召喚しとくか」


 グリモワールを開いてページを捲る。


「【ソロモンの名において 具現せよ スレイプニル 六頭】【おいで 私の可愛い執事達 リュツィフェール ミカエリス シド】」

「お久し振りで御座います、海都様」

「お久し振りで御座います、マイロード」

「お久し振りで御座います、我らが主よ」


 グリモワールからスレイプニルが六頭召喚された。このスレイプニルは種族であり、名前では無いと言っておこう。それと私の専属執事兼御者のルシファーとサタンと熾天使を人型召喚した。相も変わらず麗しいぜ、コンチクショウ。


「久し振り。リュツィ、エリス、シド。また宜しくね」

「畏まりました、海都様」


 あぁ、シドの笑みは眩しいよ。さすが熾天使。どっかの二人とは大違いだよ!!


「どこの誰ですかね?」

「誰でしょうね」


 素敵な笑みを浮かべて私を見るリュツィフェールとミカエリス。ドエスコンビめ。


「それで今度はどんな事に巻き込まれましたか?」

「いや、悠々と聞くなよ。リュツィ」

「おや、心外ですね。これでも心配してるのですよ」

「浮かべる笑みが輝いてるぞ、ドエス共」


 自分何処にいるかわからず不安です的な声音で聞いてくるリュツィフェール。心外とばかりに哀しみの声音を出すミカエリス。その顔は最上級の笑みを浮かべ超輝いていた。普段では絶対無い程目も輝いていたよ。人の不幸が大好物の悪の権現共め。


「それで、海都様。どのような状況なんですか?」

「あぁ。私も良くわからない。私が最初に居たのは森の中にある湖に浮かぶ神殿がある場所。その後にエルフの里と人間の住む街に行った。この時点では異種族がいるってだけだったんだけど……」


 シドが仕切り直して聞いてきた。私が異世界に移動したのはシド達もわかっている。それからの事を私自身もまだ把握しきれてないけど説明した。私が言葉を切るとリュツィフェールは顔を顰めた。


「何かあったのですか?」

「フェニックスと朱雀が現れた」

「……どういうことですか?」

「もしかしたらこの世界にレメゲトン等のグリモワールが流れ着いた、或いは召喚した、召喚された可能性がある。これがフェニックスと朱雀だ」


 厄介事にミカエリスが眉間にシワを寄せた。私が不思議ポーチからフェニックスの書かれたパピルス紙と朱雀の書かれた巻物を取り出しミカエリス、リュツィフェール、シドに見せた。


「……」

「パピルス紙と巻物ですか」

「そうするとレメゲトンは確実でしょう」

「巻物は同じ物ばかりで特定は難しいですね」


 シドは私と同意見だった。フェニックスが書かれているのは私が知る限り悪魔の召喚方法が書かれたレメゲトンか幻獣書の紹介くらい。他にもあるが、姿が炎に覆われた巨大な鳥で書かれない。もっと美しい姿で書かれる。これらを考慮すると召喚方法が書かれているレメゲトンは確実にこの世界に存在する。朱雀に関しては色々な書物が存在するのでどれが来たと断定ができない。それはミカエリス達も同じだった。


「本当に厄介事ばかりですね」

「良いじゃん。悪魔を扱けるよ」

「あぁ、それは確かに。私に逆らう愚か者を従わせるのは快感ですね」

「クスクス、ワザワザ私が出向くのです。それなりに手応えが無くてはつまりません。どの様に足掻くのか楽しみですね」


 リュツィフェール、ミカエリス陥落。海都攻略完了。凶悪な笑みを浮かべ笑う悪魔の主達ルシファーとサタン。レメゲトンにいる悪魔達は捕食者(魔界の主達)にロックオンされました。

 そんなテロップが私の頭をかけた。


「海都様、これからいかがなされるおつもりですか?」

「あぁ、実は何もない島を一つ購入してね。そこに行くつもり。他にも人がいて馬車で行く予定だよ」

「畏まりました」


 黒い笑みを浮かべて笑うリュツィフェールとミカエリスを見ながらシドが聞いてきた。聞かれた私は思い出したように予定を伝えてしゃがみこみ地面に手をつけた。

 馬車の構想を考えて手に魔力を流すと地面に魔方陣が描かれ四輪箱型馬車が出てきた。中は亜空間で扉を開けると居間になりそこから食堂、洗面所、洗濯室、トイレ、浴室、各私室に行けるようになっている。私室の方にもトイレと浴室完備。まぁ、私は家事とか一切しないけどね。

 私は中を一通り確認してスレイプニルに装着した。


「これで良し。おい、そこの魔王二人組。行くぞ」

「海都様、邪魔なので中に」

「ハイハイ」

「では、行きます」


 街に戻るため、リュツィフェールとミカエリスに声をかけた。シドは既に中に入っている。ミカエリスは私から運転席をぶんどり、リュツィフェールは私を担いで中に入って居間にあるソファに捨てた。少ししてから馬車が動き出した。


「これから先は私とミカエリスで運転しますから」

「ハイハイ」


 素晴らしく眩しい笑みを私に向けるリュツィフェール。もうリュツィフェールとミカエリスの笑みには恐怖しか浮かばないよ。


「到着しました。海都様」

「ハイハイ」


 リュツィフェールに脅されている間に到着したようだ。外からミカエリスの声が聞こえた。私は馬車から降りて回りを確認した。どうやら外門から少し離れた所に停車したようだ。


「私は皆を迎えに行くから待ってて」

「畏まりました」


 私はミカエリスに待機指示を出して外門をくぐり街に向かった。




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