アロエ、潜入任務に挑む
はい、当方は現在牢屋に潜伏中であります。
身分証偽造の罪で捕縛されており、大人しく牢屋に入れられている状態ですね。
ここには私と同じように罪をでっち上げられた人が多く捕まっており、特に見目の良い女性が多いみたいです。
と言うのも、この門の管理を引き受けている貴族、かなりの好色家らしく、見た目の良い女をつまみ食いするのが趣味なんだそうな。
クロエさんも上手く逃げ出さなかったら、ここから好色貴族の所に送られていたのでしょうね。
因みに流石に列に並んでいる人達の前で捕縛するのは避けたかった為、帰り道に襲って攫う予定だったようです。
その時に私とエリカも見かけた為に、ついでに攫って行く予定だったみたいですね。
何故そんなところまで知っているかというと、私を囲んでいた兵士たちから聞き出したからです。
彼らは当初の予定通りに私を捕縛したと思い込んでいますが、実は私との楽しい時間を消した上で当初の予定通りの行動を起こさせました。
しかし、心の根底にある魅了は解けていないのでこちらの言うことなら何でも聞きます。
要は全てが仕込みという訳です。
当然ですが、彼らの次の行動も全て私が描いたシナリオに沿って動いています。
その為、エリカと連絡を取りながら決行の時間を測ってから兵士を動かします。
「新入りの女、早速出番だぞ」
兵士から呼び出されて私は大人しく牢屋から出ました。
これはその貴族の元へと連れていかれるという事ですね。
目隠しをされて外に連れ出され、馬車に乗ります。
しばらく進んだ後に馬車は停止し、今度は何人かの女性によって手を引かれてそのまま何処かの屋敷へと入って行きました。
「もう目隠しは必要ありませんので外しますね」
女性の言葉によって目隠しが外され、周りの景色が見えるようになりました。
そこは広い湯浴み場となっており、目の前には泳げそうなほどに大きなお風呂がありました。
「それでは失礼致します」
周りの女性を見ると全員がメイドらしい格好をしていました。
彼女達は無抵抗の私の服を脱がせ、そして感嘆の声をあげた。
「まぁ、何とお美しいのでしょうか。
ここに来られる方は見目麗しい方が殆どなのですが、見た目だけでなく、肌の艶まで完璧ですわ」
「それにこのプロポーション……出るところは出ているのにくびれはしっかりと。
それでいて魅力的なお尻だなんて……本当に羨ましいですわ」
メイドさん達は口々に私を褒め称えながら髪や肌の手入れをしてくれます。
うん、これはこれで中々気分が良いですね。
数日くらいならお嬢様気分も悪くないかもしれません。
「大変眼福な思いをさせていただきありがとうございます。
主人がお待ちですので、こちらのお召し物に取り替え致しますね」
そう言いながらメイドさん達が服を着せてくれたのだが、それは主人という人物の趣味の悪さが見えてくるスケスケのネグリジェであった。




