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怒りのミハエル

(お姉さま、そっちの状況はどうですか?)


野盗もどきを全滅させた私はお姉さまに念話で連絡を取ります。


(こちらは案の定仕掛けてきましたので、全員に魅了を仕込んだところですね。

それと、予定通りにこちらの身分証は否定されましたよ)


(こっちも仕掛けてきた連中は全員瀕死にしておきました。

それでは、ここからも予定通りということで良いでしょうか?)


(ええ、先ずはクロエさんが村に着くまでの護衛を確実に。

そこから貴女は一度ターネライの街へと戻ってください)


(了解です、お姉さま)


連絡と今後の方針が終わったことで打ち合わせを終了させます。


クロエさんに一旦魅了をかけ、野盗もどきを収納魔法に入れてから、この襲撃の事実を無くした状態で魅了を解きました。


こうして、彼女の中では帰り道は何事もなく安全だった事になっているでしょう。


村の入り口まで送り届け、何度もお礼を言いながら家に招こうとするクロエさんの誘いを丁寧にお断りして街道を外れます。


そこで擬態を解いた私はターネライの街の近くまで戻ると、荷台を取り出し、その上に男達を転がしました。


その状態でターネライの街へと入り、とりあえず野盗もどきを憲兵達に差し出します。


「やれやれ、過去に似たようなことがあったが、まさかその人と一緒に旅に出たお前さんが同じようなことをするとはな」


「私の場合さ襲われたので仕方なくですよ。

でも、この人達は野党の割には装備がいいんですよね。

それに王都の門前から追ってきていたみたいなのでもしかしたら……」


「な、す、すぐに調べてみよう」


「私は他にも報告する場所があるのでよろしくお願いしますね」


こうして野盗もどきを憲兵へと預け、続いて冒険者ギルドを訪ねます。


「すいません、ギルマスを呼んでもらえますか?

お姉様のことで大至急とお伝えください」


「え、あ、エリカさん!?

わ、分かりました、至急お呼びします」


訪ねた受付では、私の代わりに引き継いだアリサちゃんがおり、用件を伝えると慌ててギルドマスター、ミハエルさんの元へと向かっていきました。


数分も待つと、アリサちゃんに連れられたミハエルさんがやってきます。


「いったい何があったんだ?

この間出て行ったと思ったらすぐに帰ってきた上にアロエさんの事で話があるんだと聞いたが」


「単刀直入に言いますが、王都の門兵がお姉さまが持った身分証を偽造と断定して捕縛しようとしました」


「は?……何かの冗談だろ?」


「冗談で私1人戻ってくる訳がないでしょう。

それと、このことを伝えに移動していた私に対して、バレないように野盗に扮して襲いかかってもきましたね。

本人達が野盗だと名乗ったので、全員蹴散らした上でこの街の憲兵に預けてあります」


私の言葉を聞いたミハエルさんの顔がどんどんと紅潮して怒りに染まっていくのが分かります。


そして、彼は即座に対応に必要な檄を飛ばし始めました。


「おい、今すぐに憲兵の所に行って、今日捕まった盗賊についての情報を集めてこい!

それと商業ギルドのモントレイさんとカーク商会のカーク会長にも連絡を付けろ……うるせぇ、今すぐに決まってんだろ!」


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