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アロエの(一方的な)戦い

「さて、エリカの方は上手くやっていますかね?」


「女、こんなところで何をやっている!!」


森の奥へと移動した私を案の定、10人の兵士たちが取り囲みました。


「あらあら、水浴びができる場所を探していたのがそんなに悪いことなんですかね?」


「口答えはいい!

身分を改めるので身分証を出せ!!」


「はぁ、これで良いでしょうか?」


「全く……ただの村娘のぶんざ、い、で……」


「隊長、どうしたでありますか!?」


私が差し出した身分証を見て隊長と思わしき兵士の様子が変わる。


更にその近くにいた兵士も隊長が見た私の身分証を見て明らかに表情を変えました。


まぁ、それはそうでしょうね。


現在の私の身分はターネライの冒険者、商業の両ギルドのマスターが保証しています。


これを認めないと言うのであれば、ターネライだけでなく、全てのギルドを否定する事と同じ行為に当たる訳です。


普通ならばここで謝罪するのでしょうが、不正が横行して増長した彼らの行動は違いました。


「こ、こんなもの偽造に決まっている!

公文書の偽造の罪も加えてひっ捕えるぞ!!」


「そ、そうですよね。

こんな小娘が冒険者と商業のギルドマスターと伝手があるわけないっスよ」


隊長の一声で兵士たちが全員抜刀した気配を感じます。


「全く……これで王都の門を守る兵士というのだからお笑い以外の何者でもありませんね。

お仕置き確定です」


そう言うと同時に私が右足で地面を踏みつけると、天衣無縫にけしかけたものよりも更に大きなエレメンタル・ウルフが召還されました。


「な、ば、化け物!?」


「いえいえ、可愛いワンちゃんですよ。

バケモノというならこういうのはどうですか?」


私が右手の指をパチンと鳴らす、彼らを囲むように、人よりも遥かに大きな蝙蝠の大群が兵士たちを包囲します。


「ひいいいいい」


「な、な、な、なんなんだ、これは!?」


突如として未知の巨大生物に囲まれた彼らは恐慌状態となって各々が好き勝手に逃げ出そうとした。


だが、大きな蝙蝠の影から現れた小さな蝙蝠達が全ての通路を塞ぎアリ一匹逃げたすことがかないません。


「ああ、言い忘れてました。

その蝙蝠達、全員が吸血するタイプですからね。

逃げたければ好きにしていいですが、大きいのに吸われるか、小さいのに集られて吸われるか選んでください」


「ひいいいい、俺たちが悪かった!

勘弁してください!!」


あまりに脅し過ぎたのか、取り囲んでいた兵士達は全員が武器を投げ捨てて地面に突っ伏して許しを乞い始めました。


「許す許さないはこれからのお話次第ですね。

とりあえずは私を裏切らないように契約といきましょうか」


私はそう言うと、使い魔たちが取り囲む範囲内に淫魔結界を張り巡らせてその強さを上げていきます。


「うっぐっおおおお!!」


「ぐうううううう!!」


苦しそうに悶え、鎧を脱ぎ捨てていく兵士達。


そんな彼らの前で私も装備品を収納魔法の中にしまい、生まれたままの姿を彼らの前に晒すのでした。

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