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王都の腐敗

今は落ち着きを取り戻した女性……名前をクロエさんというそうですが、彼女の話を要約すると魔王が倒された事で国としての規律がかなり緩んでしまったそうです。


その為に不正や賄賂が横行しており、その流れは末端まで。


検問所では憲兵達に誰も逆らえず、普通の村人程度では通行証の発行すら許されないそうです。


発行してもらおうと思うのであれば、賄賂か、クロエさんのような見目の良い女性ならば身体を差し出すか。


それを知らなかったクロエさんは、危険物検査の所持という名目で服を剥ぎ取られて裸にされ、憲兵にセクハラされた挙句に行為を迫られ、断ると服を没収されたまま通行を否認されて外に放り出されたそうです。


幸いなのかは分かりませんが、列に並んでいる人たちは彼女の姿に驚いた様子もなく列から離れる事はありませんでした。


そこで道から外れて人から見えにくい所で途方に暮れていた所に私が声をかけたというわけでした。


「本当に……何から何まで……」


「いえ……ところで王都には何か用があったのでは?」


「あ、はい……実は婚約者が病気にかかってしまい、その薬を求めて王都に向かうところだったのです。

しかし、その薬を買う事は出来ず、お金もあの兵士達に没収されてしまって……」


「それは大変でしたね……良ければどのような病気か聞いても?」


「魔力欠乏症です」


「それは大変な病気ですね」


魔力欠乏症とはその名の通りに魔力が足りなくなる事である。


人が生きていく為に必要な魔力は日々の生活で少しずつ回復していくのだが、ごく稀にその回復の回路に異常をきたす者がいました。


魔力が回復しない状態でも生きている限り魔力は消耗していく。


そうして徐々に弱って最後は衰弱死してしまう恐ろしい病気でした。


これを治すにはMPポーションを飲むことです。


MPポーションによる回復が身体中に染み渡る事で、魔力回路の不具合も解消します。


だが、MPポーションは一般人には高級であり、ここら辺では王都くらいしか手に入らないでしょう。


「お姉様……可哀想ですよ。

何とかならないんですか?」


「エリカがそう言うのであれば何とかしましょう。

私たちはちょっと奥の方に行くのでクロエさん、少し待っていてくださいね」


「は、はい」


そうして私とエリカは街道を外れた森の奥へと行きました。


※ここからは音声だけをお楽しみください


「お姉様、一体どうするんですか?」


「それはこうするのですよ」


「え、お姉様、なにおっ!?」


「あら、ちょっと触っただけでこうなるなんて……本当は期待していたのでは?」


「そんな、嬉しいですけど急にひいいいいい」


「ほらほら、無駄口を叩かずにしっかりと出してくださいね。

スプラッシュしても魔法で全て回収しますのでご安心を」


「お、おねえさ、おほっ!そ、それはだ、だめええええ」


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