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3人の子供

ふむ……思った以上に効いているようですね。


邪神が魔術によるプロテクトを張る事は予想出来ていました。


それによって外部からの影響を一切遮断できるというのは、魔王から聞かされていたので予め対策を立てていたわけです。


いま邪神に飲ませたのは私の体内から作り出した淫気の塊。


そう、外部からの攻撃を受け付けないのであれば内部から攻撃すればいい。


そう考えていたわけですが……いや、これは予想以上ですね。


邪神の中に入り込んだ淫気は彼女の力をドレインし始めて徐々に大きくなっていきました……お腹の中で。


そう、パンパンに膨れ上がったお腹はまるで妊婦のようになっていました。


とりあえず魔王の部屋に邪神を連れていき、ベッドの上に寝かせます。


「カミさん、しっかりするんだ!

ひっひっふー、ひっひっふーだぞ」


「ひ〜、ひ〜、ふ〜」


魔王のかけ事と共に邪神が呼吸して力み始めます……あれ?


これ、本当に妊娠してるわけじゃなくて、私の淫気だから何か産まれるというわけでもないのでは?


「よーし、あと少しだから頑張れ。

頭が見えてきたぞ」


頭が見えてきた!?


え、何それ……怖いんですけど。


何で私のやった事で私の知らない子供が産まれようとしてるですか!?


あり得ない展開に内心ビビっていたのですが……


「よし、産まれたぞ!

よくやった、よくやったぞ!!」


喜びながら邪神の股から取り出した何かを掲げる魔王。


その腕の中には、腰に翼、お尻に尻尾が生えた玉のように可愛い赤ちゃんが抱かれていました。


……あれ、どう見ても私の因子を継いでますよね?


じゃあ、あの赤ん坊って私と邪神の子供になるんでしょうか。


困惑しながら成り行きを見守っていたのですが、こちらに気付いた魔王が赤ん坊を抱きながらこちらに向かってきました。


「あ、あの……その、すいませ……」


「見ろ、アロエよ。

これは吾輩とカミさん、そしてお主の三人の子供じゃぞ」


……いま、聞き間違いでなければ魔王は三人の子供と言いましたかね?


「えっと……どういうことでしょう?」


「なんじゃ、お主は分かっててやっておったわけではないのか?」


「いえ、全然。

邪神の身体の内側から攻撃してやろうくらいにしか考えていませんでした」


「……それなら一から説明するとしよう。

カミさんももう少ししたら動けるようになりそうだから、その後でな」


そうして産まれたばかりの赤ん坊を魔法で作り出したゆりかごに寝かせ、邪神の体調が戻ってから3人で状況の整理を始めるのでした。

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