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魔王の真実

「いまさら何ですけど、お姉様って勇者様なんですよね?」


野盗から精気とレベルをがっつりと吸収して元気になった私達。


旅の途中とは思えないほどに良い肌艶をしたエリカが私に尋ねてきました。


「ええ、そうですね。

種族はサキュバスになっていますが、職業は勇者のままなんですよね」


「女神から勇者様が魔王が倒されたというお告げがあった事は聞いています。

その魔王を倒した勇者様はお姉様なんですよね?」


「うーん……倒したと言えば倒したんですが。

多分エリカが想像しているような感じではないですよ。

私は未だにくだらない話だと思っていますし」


「そう言われると逆に気になってしまうじゃないですか。

一体何があったんですか?」


「私が試練の塔で今の姿になり、仲間を置いて旅に出たという話まではしましたっけ。

その続きの話ですね」


♢ ♢ ♢


あの日、各地を回って悪党からレベルを吸い、これなら魔王にも負けないはずと自信を持って魔王城へと向かったのです。


不思議な事に魔王城には魔物はおらず、そのまま魔王のいる部屋まで辿り着くことが出来ました。


そうして部屋に入って一番最初に飛び込んできた光景……それは綺麗な土下座をする魔王だったのです。


「本当にウチの駄女神がご迷惑をおかけした!!」


拍子抜けした私は魔王を立たせて話を聞く事にしました。


何と、この魔王という人物、私に勇者としての加護を与えた女神の旦那であり、この世界の神の1人だと言うではありませんか。


その魔王の話を要約すると、女神は異世界の作品というものにハマっており、その中でも勇者と魔王の物語と男性が女性になってしまい、徐々に思考が女性寄りになっていくという物語にハマっているそうで。


後はなんて言いましたっけ…‥自分の恋人が他の人に取られるような物語がお好きなんだそうで。


それで、その全てを合わせた要素を自分で作りたいという事で生まれたのが私という勇者であり、自分の旦那を仕立て上げた魔王という存在だったのです。


……ええ、そうですね。


ぶっちゃけ全ての元凶はこの女神だったという訳です。


旦那である魔王は神としての位が女神より下だったので絶対に逆らえなかったそうで、仕方なく魔王としての活動を始める事に。


とはいえ、もともと魔物がいる世界だったので、魔王が現れた事で魔物が強くなったという印象を植え付けただけで特に何もしていなかったらしいのですが。


しかし、今回の1番の被害者である私には直接会って謝罪したかったそうで、こうして土下座で出迎える事になったそうです。

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