2人の旅路
ターネライの街を出てから数日後、私とエリカは街道沿いを徒歩で移動していました。
「お姉様、飛んでビューンと移動しちゃダメなんですかね?」
「それも悪くはないのですが、せっかくの二人旅です。
のんびり行こうじゃありませんか。
それとも私とこうして二人で歩くのはお嫌いですか?」
「そんなわけないじゃないですか!
私はお姉様といられるなら何でも幸せですよ」
こうして腕に絡みつくエリカを適当にあやしながら先へと進みます。
途中ですれ違う定期馬車や商人の一団などが同行を勧めてきましたが、それらを全て断って二人旅を楽しみます。
中には下卑た視線でしつこく言ってくる者もいましたが、そのような方々には魅了をかけて支配下に置き、記憶を改竄して私達の事を忘れさせて先へと急いでもらう事にしました。
この辺りの調整はサキュバスになりたてのエリカの訓練に丁度良いですからね。
こうして女二人で無防備に歩いていると偶にご馳走が向こうの方からやってくるのも良いのですよね。
「へっへっへっ、随分と上玉じゃねぇか」
「売り払う前に調教してやらねえとな」
「久しぶりにたっぷり楽しめそうだぜ」
定期的に現れる野盗達。
私達を取り囲んで下品な笑みを浮かべる彼らですが、私たちも俯きながら笑顔を浮かべます。
(今夜はお腹いっぱい食べれそうですね、お姉様)
(ええ、何ならエリカの方が多めに持っていってもいいですよ)
(私はお姉様と一緒がいいんです!
しっかりと分け合いましょう)
こうして私達は野盗に捕まった振りをし、彼らのアジトに辿り着いた時に擬態を解いて宴を始めます。
二人でお腹いっぱいになるまでご馳走を貪った後は、瀕死になった彼らを収納魔法に入れていきます。
「お姉様〜早く早く!」
「ちゃんと後始末をしてからでないと落ち着かないので少し待っててください」
「お姉様ってそういう所、本当に律儀ですよね」
「エリカとの時間に余計な不純物を入れたくないだけですよ」
「あん、お姉様ったら口が上手いんですから。
そういう所も本当に好きですよ」
「私もエリカの事は可愛くて大好きですよ」
野盗との宴が終わった後は、エリカと二人の時間です。
ここでお互いに吸収したエナジー分け与えて平等になるように調整します。
お互いを愛おしむように尻尾を絡めあいながら、2人の熱い時間が過ぎていくのでした。




