サキュバスの淫気
「本当にアロウなんだな」
「何と変わり果て……いや、あまり変わらないような……」
「何はともあれ無事を喜びましょう」
あの後、ご丁寧にも塔の一階に直通しているワープゾーンを見つけ、更にスキルに増えていた擬態の力によってサキュバスの尻尾と翼を消すことに成功した。
更に擬態の力を使うと礼服も光のドレスに変わったのが救いであった。
こうして何とか仲間の待つ宿屋まで戻ってくると、私の変化に戸惑いながらも彼らは快く出迎えてくれた。
戦士のユウロ
武道家のカルマ
賢者のトメリ
3人はこれまで共に苦しい旅をしてきた仲間だったので、自分の変わった姿を見ても信じてくれたのは素直に嬉しかった。
「流石に今日は疲れたから直ぐに寝るね。
詳しい話はまた後で」
4人部屋の自分のベッドに潜り込もうとすると、3人は途端に慌て始める。
今から一人部屋を取ったらと提案する3人であったが、どうにも身体が疲れているのと、彼らへの信頼からその意見をスルーしてベッドに潜り込んだ……それが最悪の一手であった事に気付かずに。
「うん……っ、ええ!?」
深夜、妙な気配を感じて目を覚ます。
目を覚まして驚いたのは3人がベッドを取り囲んでこちらを見下ろしていた事であった。
3人は虚な瞳でこちらを見ており、息は荒く、そして下の方を目を向けると3人ともに雄々しく直立していた。
「え、なになになに!……あっ」
突然のことに慌てて起きあがろうとするが、急に下腹部に熱いものを感じてバランスを崩してしまう。
そのせいでお尻を突き出す四つん這いのような格好になってしまったのだが、その時に気が付いてしまった。
装備がサキュバスの礼服に変わって擬態が解けていたこと。
下腹部にピンク色に光る紋章が浮き出ていたことに。
その紋章の光が一層際立って光ると、自分の身体中に熱いものが駆け巡った感覚がして気持ちよくなってしまう。
それがきっかけだったのが、3人は四つん這いになった私に覆い被さるように襲ってきた。
こうして私と3人の仲間による熱く激しい夜が開始されてしまったのであった。