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看板姉妹と強制労働

いつまでもベッドでゴロゴロしていても仕方がないので、とりあえず料理の仕込みがてら起きることにしました。


エリカの方はというと、泥酔するほどにお酒を飲んでいたことからも察せれるように、今日はギルドの仕事はお休みなようです。


そういう訳で仕込みを手伝ってくれると申し出てくれたのですが、これが驚きの連続でした。


先ず、眷属となった事で私が所持しているスキルや魔法の大部分を習得していたのです。


中には勇者にしか使えない魔法や技などもあり、劣化とはなりますが2人目の勇者と言って差し支えがない存在となっています。


もちろんサキュバスとしての技は元より、テンさんから借りている調理スキルまで持っていたのです。


そして、眷属となった事で2人の間に同調が起こるようになりました。


共通の作業をしている時、声をかけなくてもお互いが何をして欲しいかを察して動くことが出来るのです。


この二つの要素によって、私とエリカは抜群のコンビネーションを発揮して支度を終えたのでした。


お昼時になると昨日と同じように大量のお客さんがやってきましたが、私とエリカのコンビでしっかりと捌いていきます。


エリカの事が心配でまた店に寄ってくれた友人達も空いた口が塞がらないと言わんばかりに驚いていますね。


何せ昨日まではギルドでの受付同様の無表情で対応していたのですが、今日は愛想を振り撒くって接客していますからね。


オマケに眼鏡を外して髪を解いた彼女はかなり魅力的な姿に変わっています。


そのお陰もあってか、昨日までのお客の視線はほぼ私が独り占めしていたのですが、今日はやや私が多いくらいに落ち着いてますね。


エリカが店の中でも私のことをお姉様と呼ぶせいで、姉妹としてセットにされている気もしますが。


細かいことは置いておき、この噂が街に流れたせいでしょう。


そこからは更に加速度的にお客が増え、流石に2人ではキツいかとなった時にやっとあの人達が帰ってきました。


「おいおいおいおい、これは一体どういうことだ?」


「この店がこんなに繁盛してるの初めて見た」


「店、間違えてねぇよな?」


「合ってると思うんですが……」


店の裏口から中に入ってくる天衣無縫の4人。


「ああ、良いところに帰ってきました。

調理の方は私とエリカで何とかしますので給餌の方をよろしくお願いします」


そう言って私は4人に回復魔法をかけ、同調で察したエリカは洗浄魔法をかけてくれました。


「エリカって……え?何で受付嬢がここで働いてるんだ?」


「事情は後からで良いでしょう。

今はお姉様の言う通りに動いてください」


「エリカの言う通りです。

ここはテンさんの店で、貴方たちが働く事になる場所なんですからね」


『は、はい!』


私がサキュバスクイーンのカリスマオーラを出しながらそう話すと、天衣無縫の4人は一気に戦闘体制のような目つきになって動き出したのであった。

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