表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/60

サキュバスの特性

事が終わったからなのか、雌の地竜は巣と思われる場所にそそくさと入って行きました。


大事なのは子種だけというのがよく分かりますね。


一方で雄の地竜は興奮冷めやらぬと言った感じで外をウロウロと落ち着きなく歩き回っています。


雄の方を誘き出そうと思うのですが、魅了って地竜にもかけれるんですかね?


そう思い、正体を出したことで身体中から漏れている淫気に指向性を持たせて雄の地竜へと向かわせました。


その瞬間に地竜はピクリと反応し、キョロキョロと辺りを見渡しました。


「おや……普通にいけそうですね。

では、このまま誘導してしまいましょう」


私は淫気を地竜の方へと向けつつ、ゆっくりと天衣無縫のいる位置とは反対方向に移動します。


何というか……こうしているとペットを散歩させているみたいで愛着が湧いちゃいそうですね。


程よいところまで来て空中で静止すると、地竜は辺りをキョロキョロと見渡しています。


このままご対面しても良いのですが、愛着が湧きつつあるのでこの場で処理してしまいましょう。


あまり派手な音を出すわけにも行きませんので一瞬でケリを着けますよ。


「ウォーターソード」


魔法で作り上げた高水圧の剣。


それを地竜の首を切り落とせる程の大きさに調節し、真下で未だに辺りを見回す地竜の首めかけて飛来します。


すれ違いざまに水の剣を地龍の首へと食い込ませると何の抵抗もなく、刃は端から端まで切り抜けていきました。


そのまま地竜の首は天高く飛んで地面に落ち、首から血を吹き出した地竜は大きな地響きと共にその場に倒れたのでした。


「うーん、分かってはいたんですけど……ちょっと自分でやった事でも引いてしまいますね。

まさか一撃で首を切断できるなんて」


この魔法剣は使い手の魔力によって威力が高まる傾向にあります。


しかし、普通の魔法使いは近接戦闘などしない為、勇者専用の技のような扱いでした。


ただ、常に魔力を放出して消費し続けるため、それならば実体剣を使って、魔力は回復に当てた方が良いとして長らく使ってこない、ある意味で腐っている魔法だったのです。


しかし、サキュバスになった事でステータスが変わり、魔力が大幅に増大した代わりに、体力や力といったフィジカルは大幅に下がりました。


とはいえ、レベル差の暴力で人間時代より、フィジカルも遥かに上回ってはいるのですが。


その上がった魔力で使った魔法剣は、伝説として語り継がれる勇者の剣を凌駕し、大幅に増幅した魔力のおかげで全く減っている気がしません。


オマケにこれまでの情事で注がれた子種。


サキュバスの特性なのか、これらはお腹の奥の方に保管されているのが分かります。

 

その場所は収納魔法と同じ効果によるほぼ無限に蓄える事が出来そうなのですが、そこに貯まっている子種を体内に吸収する事で傷を負っても瞬時に回復し、失った魔力も回復出来る……サキュバスとしての本能がそれを私に教えてくれています。


「この身体、本当に便利ですね。

正直、戻れると言われても人間の身体に戻りたいとは思えないほどですよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ