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やってきた来客者達

「正直な話、私もここら辺が限界かなってのはずっと感じてたんだ。

戦ってても全然面白くないし。

だから辞めちゃうって選択肢は全然問題ないんだけど……この宿屋に3人も雇う必要あるかな?」


ルインさんがそう言って私たち以外いない食堂に目を向けます。


「確かに……これじゃまともに給料が出るかも怪しいな」


「協力は惜しまないつもりなのですがね」


ルインさんの指摘にザトゥさんとロイスさんも、もし引退して雇われたらどうなるかを想像して青褪めた表情を見せました。


「それについては問題ないです。

この宿はこの先間違いなく人気に、下手をすればこの街で一番繁盛することになりますからね。

なので今のうちに人員を確保しておきたいという事もあるんですよ」


「え、いや、流石にお姉ちゃんでもそれは……」


「まぁまぁ、信じられないならとりあえずは地竜討伐に行ってきてはどうですか?

テンさんの状態も長くは続きませんので」


「それじゃ、皆んな気を引き締めていくぞ!!」


困惑気味の天衣無縫達でしたが、テンさんの号令で目の色が変わりました。


「うん、色々思うところはあったけど、やっぱりこれがないとね」


「ああ、久しぶりにやる気になってきたぜ」


「ふふ、ここは乗っかっておくべきなのでしょうね」


「では、気をつけて行ってきてください。

宿のことは私に任せておいて良いので、吉報をお待ちしていますよ」


こうして出発した4人を見送った私は厨房に向かいます。


食材を確認して下拵えをする為です。


料理は元々はからっきしだったのですが、今日のテンさんには必要ないだろうと料理スキルを丸々借りたので、長い事使ってきたように自然に扱うことが出来ます。


「すいません、やっていますか?」


そうして調理をしながら時間を使っていると、商業ギルドのマスターが何人もの人を引き連れてやってきました。


「いまテンさんが出払っていますが、私で良ければ対応しますよ」


「おや、アロエ様も調理が出来るのですね」


「テンさんと同程度の技術だと思ってください」


テンさんの調理技術を使っているので嘘は言っていませんよ。


「では、人数分お願いします。

彼らは…‥アロエ様に助けられて感謝している者と覚えて頂ければ結構です」


ギルドマスターがそう説明すると、彼らは順々に頭を下げました。


「それでは準備致しますので少々お待ちください」

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