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模擬戦 2回戦

「ふ、ふ、ふ、ふっかーーーつ!!」


ぐでっとして動かないルインさんを膝枕して頭を撫でていると、唐突に再起動しました。


「元気になったみたいで良かったです」


「お姉ちゃん、ありがとう!

私もまだまだ頑張らなくちゃって思ったよ」


「それならば今度は3人での連携を見せてもらってもいいですか?

ちょっと気になることがありまして」


「え、俺たち嬢ちゃんとやりたくないんだけど」


「ええ、先ほどの戦いを見ていると全くいい所なしで終わりそうで」


「ならば代役を用意しましょう。

今のルインさんの力から考えて、このようなものはどうでしょうか?」


私がパチンと指を鳴らすと、光り輝く狼が出現します。


「こ、これは……召喚魔法ですか!?」


「エレメンタルウルフ、強さはルインさんから考えて3人の総合力に対抗できる程度です。

如何でしょうか?」


「流石にここまでお膳立てされて断るのは野暮ってやつだろ。

いいぜ、やってやるよ」


ザトゥさんがそう言って背中に担いでいた弓を構えます。


「確かに、折角ですの私達も運動させてもらいましょうか」


ロイスさんも杖を構えて仲間にバフを掛け始めてやる気満々と言った感じです。


「よーし、今度は負けないよ!」


ルインさんも元気よくエレメンタルウルフの前に立ちます。


そんな彼らを前にしてエレメンタルウルフは雄々しく吼え、戦いが始まりました。


……始まったのは良いのですが、明らかに苦戦していますね。


3人の実力が均衡ならばそれなりに楽に倒せる相手だと思うんですけど。


武道家であるルインさんが回避タンクをしており、一発でも当たると危険なのでザトゥさんが弓で援護しつつ搦手を使って回避の手助けを。


ロイスさんも同じように援護に回っていますね。


回避に全振りの超安全策なのですが、そのせいで攻撃に全く転じられていません。


……いえ、これはきっと足りないのでしょうね。


見ているだけのつもりでしたが、足りないピースを埋めてみることにしましょう。


私は収納魔法から鉄の剣と革の盾を取り出すと天衣無縫とエレメンタルウルフの間に位置どります。


「え、アロエお姉ちゃん!?」


「攻撃は全て私が受けます。

ルインさんは回避を捨てて攻撃に専念。

ザトゥさんはルインさんの援護を、今度は回避ではなく攻撃のサポートで。

ロイスさんは攻撃の強化と防御のデバフを。

……さぁ、ここから巻き返しますよ!」


前に出た事で振り上げたエレメンタルウルフの右腕が私の方に向きますが、その一撃をいなしながら3人に指示を出します。


一瞬呆気に取られた3人でしたが、すぐに自分達のするべき事を理解……いいえ、元々やっていた事を思い出したようですね。


この瞬間から3人の目つきが変わったのでした。


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