最終話 時は流れて……
最終話です。
いつも読んで下さってありがとうございます。
「ん……。 懐かしい夢を見たなぁ」
夢から覚めたボクこと高岡 佐奈は上半身を起こして背伸びをする。
しかし、本当に懐かしい夢を見たなぁ……。
今の父さんである京也さんと出会ったのは13年前。
当時はばったり出くわした事で、ボクと双子の姉の奈々は母さんの後ろに隠れてしまう。
やっぱり初対面だけは不安で怖いからね。
前の父親の事もあってか。
その直後にブレーカーの位置が分からない件で、父さんに手助けしてくれたことでいい人だと分かり、甘えるようになった。
今の父さんは、忙しいのに甘えたい時に甘えさせてくれたり、一緒に遊んでくれたりしてくれた。
だから、あのクリスマスイブの時に父親になって欲しいとお願いしたのだ。
「今日は2月1日か。 父さんの両親の墓参りの日だね」
着替えながらボクはカレンダーを見てそう呟いた。
学校があるので、墓参りには夕方になる。
あの人の両親は、あの人が27歳の時に発生した今は無くなっているショッピングモールによる無差別殺害事件での犠牲になっている。
それがその時の2月1日だった。
13年前にそれを知ってから、ボクと奈々もこの日には必ず父さんの両親の墓に参っている。
「あ、佐奈」
「おはよ、奈々。 カズくんは?」
「今起こしたよ。 もうすぐ着替え終わるみたい」
「じゃあ、カズくんが出てきたら洗顔と歯磨きをしてキッチンに向かおうか」
着替え終えて部屋を出た先に双子の姉の奈々と遭遇する。
ボクがボブカット寄りのセミロングだが、奈々はロングヘアになっている。
こうなると見た目だけで双子とは分からないだろうね。
ちなみに、ここで言う『カズくん』とは、ボクと奈々が7歳の時に母さんが産んだ今の父さんとの子供で可愛い弟である。
名前は和哉。
容姿は父さんに似てて、性格は母さん寄りのいい子で、ボクと奈々は可愛がっている。
今は小学三年生で、もうすぐ四年生になるんだっけ……。
「佐奈姉、奈々姉、おはよう!」
「うん、おはよう、カズくん」
「じゃあ、顔を洗いに行きましょうか」
カズくんが出て来たので三人で洗面所に向かう。
今住んでるマンションは、父さんの後輩のお姉さんが正式に管理人をしているマンションで四人家族に適した広さを持つ。
その分、家賃は高めだが、父さんも母さんも稼ぎが多いので苦にはならない。
なお、父さんと母さんは一緒の部屋で寝ているようで、未だにラブラブなのだ。
彼氏持ちとなっているボクからしても、砂糖を吐きそうな程にね。
「父さん、母さん、おはよう」
「おはようございます」
「パパ、ママ、おはようー!」
「ああ、おはよう。 奈々、佐奈、和哉」
「丁度朝ごはんが出来たから、座ってね」
キッチンのテーブルで京也父さんと紗友里母さんが待っていた。
丁度朝食も出来上がったようなので、ボク達はすぐに席に着く。
母さんの料理、今も変わらず美味しいんだよねー。
そして、家族団欒の食事も長い事続いている。
「どうした、佐奈?」
「いや、こうしてこの家族で今でも一緒にご飯を食べれるのって幸せだなぁって」
「ああ、殆どの家庭はそうじゃないからなぁ」
「奈々と佐奈も成人したらそれもなくなっちゃうでしょうしね」
「そういえば、二人は彼氏との進展はどうなんだ?」
「うぐっ!?」
「ボクは上々かな? でも、奈々も彼氏持ちだったのかぁ」
そんな会話をしながらボクは家族と朝食を摂る。
ボクはともかく、奈々も彼氏持ちになってたのは初耳だったよ。
朝食を食べ終えて、ボク達は学校へ向かう。
母さんはイラストレーターの仕事、父さんは今日はリモートなので家にいるのだが。
奈々とカズくんを先に行かせてから、見送りに来た父さんに向かってボクはこう言った。
「行ってくるね、『うさパパ』♪」
「おいおい、昔の呼ばれ方はむず痒いぞ……。 ともかく今日の学校も頑張れよ」
「うん!」
子供の頃にボクや奈々が呼んでいた父さんの呼称で行ってきますの挨拶を交わす。
父さんはかなりむず痒い感じだが、ボクは『うさパパ』という呼び方は気に入っているので、そう呼んじゃう事もある。
元気よく父さんに手を振って、奈々とカズくんと合流して、学校へ向かう。
父さんも母さんも今まで辛い道を歩んでたので、願わくは二人の幸せが死ぬまで続いて欲しいと……そう祈った。
そして、ボク自身も幸せが続いて欲しいと願った。
(END)
何とかこの作品も完結しました。
読んで下さった皆様に感謝いたします。
今作はカクヨムで掲載してた作品でしたが、色々あって削除し、なろうに移籍しました。
それでも読んでくださったおかげで、何とか完結することができました。
新作やこの作品の続編は、考えてはいますがリアルとの兼ね合いやまだ更新中の作品との兼ね合いで実現は未定ですね。
新作を始めた際にも、読んで下されば幸いです。
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