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第6話 高岡さんの手料理と仕事内容

 昨日はある意味激動な一日だった。

 隣に引っ越してきた高岡さんとその娘さんとちょっとしたきっかけで仲良くなったのだ。

 特に娘の奈々ちゃんと佐奈ちゃんに懐かれたのも大きい。


 さらに高岡さんはシングルマザーであることも分かり、奈々ちゃんと佐奈ちゃんの為にも休みの日くらいはあそんでやらないとなと、意気込んでいた。

 俺の事情も同時に打ち明けた事で、高岡さんは彼女の兄や姉に相談してみると言ってくれたし、これから少しずつ変わっていくかもしれない。


 そんな期待を抱いたまま目覚めた朝。

 俺は朝早くに起きて、洗顔と歯磨きを済ませてから朝食を摂る。

 と言っても、朝食はカップラーメンなんだけどな。


「さて、湯を沸かそうか」


 ポットがないので、やかんに水を入れてから一人用のコンロに火を付けようとしたその時、インターホンが鳴ったのだ。


(ん? 大家のじいさんじゃないし、高岡さんかな?)


 そう考えながら俺は玄関に向かい、覗き穴を見る。

 そこにはやはり、高岡さんと娘さん二人がいた。

 タッパーらしきものを持ってるが……?

 そう思いながらドアを開ける。


「おはようございます、宇佐美さん」


「「うさおじちゃん、おはよー」」


「おはようございます。 奈々ちゃん達もおはよう」


 高岡さんが笑顔で俺の所に来たのだ。

 奈々ちゃんと佐奈ちゃんも元気よく挨拶をしていた。

 しかし、『うさおじちゃん』か……。

 多分、俺の苗字が宇佐美だから、そこから取ったんだろうな。


「朝ご飯、食べてました?」


「いえ、これからですが……」


「それでしたら、今日の差し入れを持ってきましたので、よかったら」


「いいんですか?」


「はい。 恥ずかしながら昨日の件から張り切って作り過ぎたので」


 まさかの差し入れとは。

 昨日も昼ご飯を作って貰ったし、本当に申し訳ないと同時にありがたいと感じる。


「ありがとうございます。 いただきます」


「うさおじちゃん、ごはんたべたらあそぼー」


「あそぼー」


「ははは、ご飯を食べたらね」


 奈々ちゃんと佐奈ちゃんの頭を撫でながらタッパーを部屋に持っていく。


「せっかくですし、お邪魔しても?」


「ええ、構いません。 男の一人暮らしなので見栄えは悪いですが」


「それじゃあ、お言葉に甘えて」


 高岡さんは俺に許可を貰ってから中に入る。

 奈々ちゃん達と遊ぶ約束をしてるからね。

 だが、部屋に入れた時に高岡さんが、俺のパソコンを見た。

 しまった!

 電源を入れっぱなしのまま寝ていたのか!


「あら、これはWEB小説のサイトですか?」


(見られたあぁぁぁ!)


 うっかり点けっぱなしにしていたパソコンの中身を高岡さんに見られてしまった。

 やっちまったよ、俺……。

 い、一応言い訳くらいはしておくか。


「ええ、ま、まぁ……。 趣味はこれかゲーム、ネットサーフィンくらいですし」


「この作品は宇佐美さんが書いたものですか?」


「はい、趣味の域ですが」


 内心で頭を抱えるが、高岡さんはドン引きするどころか、俺のWEB小説をじっくり見ている。


「いい作品ですね。 よろしければ、ファンアートでも書きますよ?」


「え?」


 高岡さんは俺に向かってそう言った。

 ファンアート……。

 描いてくれるのは嬉しいのだが、同時に高岡さんの仕事が気になった。


「高岡さんは働いていられるとか?」


「短時間のパートもしてますが、基本はフリーのイラストレーターをしています。 兄や姉の会社だけでなく、ゲーム会社や他の出版会社からも受け持ってますから」


「マジですか……」


 高岡さんは、基本的にフリーのイラストレーターとして稼いでいたようだ。

 だが、短時間のパートもしているらしいが、在宅ばかりは身体が鈍るからか?


「基本的によく言われる『萌え絵』がメインですが、それでも良ければ」


「では、ぜひお願いします」


「では、タイトルを見させて貰いますね。 このWEB小説サイトはかなり数が多いから検索も苦労しますし」


 そう言いながら、高岡さんは小説のタイトルを見ていく。

 自分のスマホを用意してWEB小説サイトにアクセスしてタイトルを検索していく。


「あ、宇佐美さん。 ご飯をいただいてもいいですよ」


「あ、はい。 いただきます」


 冷めるといけないので、俺は高岡さんの手料理を改めていただく事にした。

 やはり美味しいな……。



昼の公開は一旦ここまでにして、次は夜に更新します。


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