第48話 2月14日 ②
時間の都合とストレスで今回は短めです。
「さて、ケーキを切りますね」
43本のろうそくの火を消した事で、ようやくチョコレートケーキを食べられる。
紗友里さんが、ナイフで綺麗に切っていく。
それを俺や奈々ちゃん達に分け与えられる。
俺の分は他よりも大きいのだが、これは俺の誕生日だからだろう。
「さて、まずはケーキをいただきましょうか」
「ええ、いただきます」
「「いただきますー」」
そして、四人でいただきますの挨拶をしてから、チョコレートケーキを食べる。
うん、このチョコレートケーキはすごく美味しいな。
どこで買ったんだろうか?
「奈々ちゃん、佐奈ちゃん、このケーキ美味しいね」
「うん、おいしいね」
「それにうさパパといっしょだから、さらにおいしいよ」
俺の両隣に座ってケーキを食べている奈々ちゃんと佐奈ちゃんは笑顔でそう言った。
俺と一緒に食べるケーキは美味しいと。
それだけ紗友里さんの前の夫……、二人の父親はこうした事すらしなかったのだろう。
下手したら……。
いや、それよりも紗友里さんにこのケーキの事について聞こうか。
「そういえばこのケーキ、どこで買った奴です?」
「クリスマスイブに京也さんがペンタブを買ってくれたショッピングセンターにある『パンナコッタ』というケーキ屋さんで買いました。 あそこはケーキやシュークリームなどが美味しいので」
「ああ、あの全国展開の……」
紗友里さんから聞いた話で納得がいった。
あの有名なケーキ屋さんが、クリスマスイブの時に紗友里さんと奈々ちゃん達へのプレゼントを買いに行ったあのショッピングセンターにもあったとは。
俺としたことが、盲点だったな……。
「うさパパー」
「ん? どうしたのかな?」
そんな事を考えていたら奈々ちゃんに声を掛けられた。
奈々ちゃんの方に振り向くと、フォークに刺されたケーキの一切れを俺の方に差し出してきた。
「はい、あーん」
幼い子からの可愛い行動に思わず応える。
「ありがとうね、奈々ちゃん」
「えへへ、どういたしましてー♪」
「うさパパー、さなからもー」
「よしきた」
奈々ちゃんに食べさせてもらったケーキを食べた後で、奈々ちゃんの頭を撫でる。
そして、佐奈ちゃんからも同じ行動をしてきたので、それもきちんと対応する。
その後で、奈々ちゃんと佐奈ちゃんに順番でケーキを俺から食べさせてあげた。
まるで、雛鳥みたいに可愛らしく、笑顔でケーキを頬張る様子に癒される。
その後で口の周りに付いたチョコレートを拭き取ったりしたら、より幼い娘に好かれるようになった。
笑顔での『ありがとー♪』は、マジでクリティカルだったよ。
「京也さんったら、娘をしっかり可愛がってくれてますね」
「はは、この子達からの頼みは断れませんので」
それを微笑ましく見ていた紗友里さん。
なんだかんだで、奈々ちゃん達の笑顔の様子が嬉しいのだろうな。
それだけ前の夫が、三人をぞんざいな扱いをしたのだろうが……。
いくら倒産による失職が原因だとしても、転職のための行動は起こせたはずだしな。
「あ、そうそう。 後で私からの誕生日プレゼントもありますので、楽しみにしてくださいね」
「俺へのですか?」
「はい。 この後、管理人さんやそのお知り合い、そして兄や姉が来ますが、その後で」
「分かりました。 楽しみにしてます」
紗友里さんは、俺への誕生日プレゼントを用意しているようだ。
ただ、川崎や桧山、達也と朱里が来るため、その後になるので、楽しみにしておこう。
そう考えていたら、インターホンが鳴った。
誰かが来たみたいだが、誰だろうな?
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