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冴えない底辺アラフォーの俺は、お隣さんの母娘に愛される  作者: イズミント


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第34話 迫る新しい生活環境

「もうすぐ京也がバイトスタッフとしての役割も終わるか」


「ええ、それでも長いと感じましたね。 たった2年ですが」


「それでも、若い夜勤のスタッフをしっかり育ててくれたし、これでお前さんが去っても十分な戦力になれるな。 あっちのオーナーも言ってたよ」


「そう言って下さるとありがたいですね」


 俺がコンビニバイトを辞めるまであと一週間に迫った。

 約2年間、ここと電車で向かう場所との掛け持ちをし、なおかつ夜勤で働いていたからな。

 前の会社でのショックを引きずりながらも、必死で食いつなぎたい為に、ここでまず週3日の夜勤の面接にこぎつけたのがいい思い出だな。

 俺の代わりとして入っている夜勤の若い者も、俺が教えた事でしっかりと戦力になってくれているので、心置きなくスタッフとしての役割が終えられるな。

 ただ……。


「あ、客としては来ますよ。 恵方巻の予約もしてますし」


「そういやそうだったな。 あの親子さんの為にかい?」


「ええ。 節分も楽しみにしてますしね、あの子たちは」


「本当に慕われてるなぁ、お前さんは」


 俺はこのコンビニには今後は客としてくることが多くなる。

 2月に入ってすぐの節分の為に、恵方巻やそれの形をしたデザートや豆を予約したからだ。

 もちろん、それは紗友里さんと奈々ちゃん、佐奈ちゃんの為にだ。

 達也の会社には正式に2月4日からの入社と決まったからな。

 長い事夜勤で働いて来たことへの昼夜逆転がある事への配慮だ。

 そのため、2月3日の節分の日も紗友里さんと娘二人との時間が作れるのだ。


「あの親子の為にも、新しい会社でも頑張れよ」


「はい。 ありがとうございます。 残り一週間、全力を尽くしますよ」


 オーナーとそんなやり取りをしながら今日の夜勤の仕事をこなしていく。

 この流れも、もうすぐ見納めだしなぁ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「あれ、朱里?」


「京也兄さん、お疲れ様」


「京也さん、お疲れ様です」


 マンションに戻ると紗友里さんと朱里がいた。

 当然ながら……。


「「うさパパー、おつかれさまー」」


「ああ、奈々ちゃんと佐奈ちゃんも労いありがとうな」


 奈々ちゃんと佐奈ちゃんも一緒だった。

 俺を見るたびにすぐに駆け寄っては抱きついてくるのは、最早パターン化したといえよう。

 それだけ、この子たちは俺を慕ってくれているのだからな。


「そういえば、二人はどうして?」


「京也さんが帰って来るのを待ってたんです。 そろそろ打ち合わせしようと姉さんが……」


「ああ、あの書籍化のための……」


「ええ。 達也兄さんの会社には来月4日に決まったんでしょ? その間は慣れておかないといけないから、今日は簡易的にね。 担当編集とはスマホのビデオ通話を介して紹介するから」


 そうだったか。

 確か、朱里のごり押しで俺が更新しているWEB小説を朱里の出版会社で書籍化するって運びになったんだよな。

 その際に紗友里さんも絵師として引き受けたので、ある意味やりやすいとはいえよう。

 ただ、俺の体調や昼夜逆転状態を考慮し、担当の編集には今はスマホでのビデオ通話での自己紹介にとどめる。

 正式な自己紹介は、達也の会社に入ってからだ。


「さて、ここにいるのも寒いでしょうし、中に入りましょう。 朝ごはんも作りますよ」


「ええ、そうですね。 さ、奈々ちゃんと佐奈ちゃんも戻ろうか」


「「うん♪」」


 奈々ちゃんと佐奈ちゃんの手を繋いで、紗友里さんと朱里と一緒にマンションに入る。

 一旦、準備の為に俺は304号室に入り、その後に305号室に向かった。

 美味しい朝食の後、奈々ちゃんと佐奈ちゃんを膝に乗せながら、担当編集への自己紹介を済ませるなどして用を終わらせたのだ。


 さて、達也の会社に入ってからが本番だな。

 何とか頑張らないと……。



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