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冴えない底辺アラフォーの俺は、お隣さんの母娘に愛される  作者: イズミント


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第33話 四人で散歩

「「おさんぽー、おさんぽー♪」」


「ふふ、奈々と佐奈ったら、パパの手がお気に入りなのね」


「あはは……。 この子たちにとっては俺は理想のパパみたいですしね」


 俺の手を繋いでいる奈々ちゃんと佐奈ちゃんと一緒に紗友里さんとマンションの周りを散歩しながらお話をする。

 ここまで嬉しそうに手を繋いでくるのは、正直に言うと嬉しいが、まだ紗友里さんと結ばれていないんだよな。

 それでも、奈々ちゃんと佐奈ちゃんの為にも、あえて『うさパパ』と呼ばせているが、下手したらご近所さんに誤解を与えてしまいそうだ。


「私も奈々と佐奈と同じく、京也さんと一緒に居る時間が幸せなのですよ?」


「ストレートに言ってくれますね」


「一応、ツバは付けておかないといけませんしね。 兄からのアドバイスです」


「達也め……! 後で懲らしめる……!」


 達也が紗友里さんに余計な事を教えやがって!

 後で懲らしめる必要があるみたいだな。


 まぁ、それでも紗友里さんからの告白も悪い気はしないけどな。

 奈々ちゃん達と同じく、俺と一緒に居る時間が幸せみたいだし。

 以前の俺では考えもつかなかったからなぁ。


「「うさパパー、ギュってしてー」」


「ああ、よしよし」


「「えへへー♪」」


 散歩の途中で奈々ちゃんと佐奈ちゃんは、俺にギュッとしてほしいとせがんできたので応じてあげる。

 ギュってしてあげると、二人は嬉しそうに頬ずりしてくる。

 ああ、可愛いなぁ……。


「本当に奈々と佐奈は、京也さんが好きなのね」


「こうして甘えてくれるのが嬉しいですね」


 奈々ちゃんと佐奈ちゃんが俺に頬ずりする様子に、紗友里さんが微笑ましそうにそう言った。

 こうして俺にも甘えてくれるのは、素直に嬉しいのだ。


「そういえば、京也さんは独身なのですよね」


「はい。 何せ、相手がいなかったのですし、いたとしても……お金の面でね」


「ああ、年収600万とか条件をつけてですか? あれは、多分自分が楽したいからでしょう。 どのみち子供を産んだら楽できないのに」


「自分が楽にですか?」


「私の知人だった人がそうでしたね。 年収面で条件があったので結婚したのですが、一年経たずに離婚ですから。 相手の男性が働いているのに知人だった女性は何もしなかったのですから。 元々、自分は楽して生活したいと豪語してた女だったので」


「楽できるほど甘くはないのに……」


「私もそう思いますよ。 婚活の際には、猫を被ってたようで……」


 散歩を再開した俺は、紗友里さんに俺が独身の理由を打ち明けた。

 お金の面で相手が見つかるわけがないと……。

 ただ、紗友里さん曰く、そういうのは自分が楽したいからだという。

 子供を産んでしまえば、楽はできないのにとも言ってたが。

 ただ、紗友里さんのかつての知人の女が、それでも自分は楽したいと豪語していたようで、相手に押し付けては自分は何もしないと言う酷い性格だったようだ。


「だから、京也さんは自分で何とかしないとって言うのはやめましょうね。 お互いが頑張ればいいのですから」


「心得ておきます……」


「うん、よろしい」


 それを踏まえてなのか、紗友里さんに諭された。

 確かに自分が何とかしないといけないという強迫概念はあり、よく正幸に怒られていたな。

 これも達也か朱里に聞いたのだろうか?


「うさパパー、そろそろとうちゃくだよー」


「おおっと、もう戻って来たのか」


 そんな話をしていると、奈々ちゃんがマンションの入り口に戻って来た事を教えてくれた。

 今回の散歩は、マンション周りを周回するのだが、こうして話をしているといつの間にか、その場所に着いてしまうな。


「そろそろお家に入りましょうか?」


「うん!」


「もどったら、おえかきするー!」


「その前に、手を洗わないとな」


「もちろんだよー」


「おてて、あらうよー」


 こういった四人で話したりしていると、まるで家族になった気分を味わえる。

 今はそういう感じだが、近いうちに本当に家族になれるかも知れない。


 そんな期待を抱ける雰囲気を漂わせているのだった。



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