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冴えない底辺アラフォーの俺は、お隣さんの母娘に愛される  作者: イズミント


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第25話 クリスマスイブの夜①

 クリスマスイブの夜がやって来た。

 俺はケーキとチキン、プレゼントを持って305号室に再び入った。


「お待たせしました。 ケーキとチキンを持ってきました」


「ああ、わざわざすみません。 さぁ、上がって……。 あら、それは?」


「プレゼントですよ。 クリスマスの。 ケーキを食べてからの楽しみです」


「まぁ、楽しみにしてます。 実は私からもクリスマスプレゼントがあるので」


「へぇ、楽しみですね。 あ、お邪魔しても?」


「ええ、どうぞ」


 時間的にも惜しいので、お邪魔させていただいた。

 靴を下駄箱に入れて、用意されたスリッパを履く。


「あー、うさおじちゃんがきたー♪」


「うさおじちゃーん♪」


「おおっと、二人とも元気だな」


「「えへへー♪」」


 プレゼントも別の場所に置き、奈々ちゃん達がいる部屋に入ると二人が速攻で俺に駆け寄ってくる。

 そんな可愛い子供たちをやさしく受け止め、頭を撫でてあげた。

 元気いっぱいの姉妹だが、頭を撫でると嬉しそうな笑顔を向けるのも同じだな。


「さぁさぁ、まずはクリスマスパーティでもしますよ」


「「はーい」」


(いい子やなぁ……)


 俺が渡したチキンとケーキを持って紗友里さんも来た。

 ケーキは、四等分くらいは切った状態、チキンも奈々ちゃんと佐奈ちゃん用は細かく刻んだ状態で持ってきたようだ。

 紗友里さん、結構器用だな。


「わー、おいしそー!」


「はやくたべたーい」


「はいはい、まずは『いただきます』の挨拶でしょう」


「余程楽しみにしてたのですね」


「ええ。 娘は特に宇佐美さんと過ごせるのが楽しみなようで。 前の父親はそこまでしてくれなかったですし」


(まぁ、社畜だった場合はそうなるだろうな……)


 ケーキやチキンを見た奈々ちゃんと佐奈ちゃんが早く食べたいとせがんでくる。

 紗友里さんがまだ挨拶を済ませてないからと諫めながら、彼女の前の夫が娘とのクリスマスパーティーすらしていなかった事を思い出したようだ。

 社畜だった場合は、クリスマスでも仕事を優先するだろうし、仕方がないかもしれないが、引きこもってる場合は論外だな。

 その反動か、奈々ちゃんと佐奈ちゃんは俺とのクリスマスパーティーを楽しみにしているみたいだ。


「じゃあ、食べましょうか。 いただきます」


「「いただきまーす」」


 飲み物を用意し終わった所で、ようやくいただきますの挨拶に移る。

 奈々ちゃんと佐奈ちゃんの元気いっぱいの挨拶も聞けたし、これで美味しく食べられるな。


「わー、このケーキおいしい」


「ふわふわでたべやすいねー」


「このケーキって、宇佐美さんが今働いてるコンビニで買ったんですか?」


「店売り用に四人分が置いてあったのをオーナーが確保してくれてまして。 少し値が張りましたね」


「最近のコンビニのケーキって、すごいですね」


「本場にはまだ負けてると思いますけどね」


 俺が買ったケーキはいつものいちごクリームケーキなのだが、柔らかくて食べやすい生地が特徴なので、値が張っている。

 それでも、ここまであまりお金を使わなかったので、こうして買う事ができるのだ。


「このチキンはCMでもよく聞く、セカチキですか?」


「ええ、柔らかめの肉を使って揚げた奴です。 全国でよく売れるポピュラーな奴ですよ」


 あと、紗友里さんは【セカンドマート】で有名なチキン、【セカチキ】を食べながら俺とその話で盛り上がる。

 CMでもやってたみたいなので、いつかは食べてみたいと思ってたようで、いい反応で良かったと思う。


「うさおじちゃん、はい、あーん」


「さなもー」


「おおっと、あーんだったな?」


 そこに奈々ちゃんと佐奈ちゃんがケーキを俺に差し出してきた。

 いわゆる『あーん』攻撃であるが、可愛い姉妹の頼みなので受け入れる。


「ふふ、娘たちも宇佐美さんが好きなんですね」


「ここまで懐いてくれるのは嬉しいですね、本当に」


 二人の幼い娘から差し出されたケーキを食べながら、紗友里さんとそんな話をする。

 テレビでアニメなどを見ながら、こうして楽しくケーキやチキンを食べるのは、初めてだ。

 この30年間は、クリスマスもぼっちだったからな……。


 さて、そろそろプレゼントを渡してやらないといけないな。

 紗友里さんや奈々ちゃん達の反応が少し不安だけど……。


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