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冴えない底辺アラフォーの俺は、お隣さんの母娘に愛される  作者: イズミント


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第13話 後輩の彼氏とマンション前での雑談

「お疲れ様でしたー」


「お疲れ様です」


 水曜日は別のオーナーが運営する【セカンドマート】の夜勤の日だった。

 こちらも終わりが6時までとなってるので、安心だ。

 こっちは、電車通勤になっているが、定期代分はちゃんと出してくれる。

 オーナーによっては、交通費を支給しない所もあるみたいだしなぁ。


「早朝の電車は流石に少ないか。 でも4本はあるからまだマシか」


 勤務したコンビニの最寄り駅に入っては時刻表を見る。

 いつ見ても、早朝の電車は普通電車4本のみだが、田舎と比べたらこれでも多い方だ。

 この駅は朝の7時から特急も走るようになるので、まだ通勤の時間ではないという事だろう。


 電車に乗って15分。

 今俺が住んでいるマンションの最寄り駅にたどり着き、そこから歩いて10分でそのマンションに着く。


「あ、先輩お疲れ様です」


「ああ、お疲れ。 朝から大変だな」


「そうなんですよ。 祖父はどうも周りの雑草すら除去してませんでしたし、マンションの廊下も清掃してませんでしたね」


「ああ、1か月前から廊下が汚れてたな……。 じいさんに言ってもダメだったがな」


「はぁ……。 本当にすみません……」


 マンションの入り口で川崎が雑草むしりをしていた。

 まだ7時にもなっていない早朝からやっているみたいだが、どうもあのじいさんは雑草すら放置していたようだ。

 また、廊下の汚れがひどかったらしく、かなりげんなりしているようだ。


「唯さん、廊下の清掃を終わらせたよ」


「あ、(さとし)くん。 ありがとうね」


 入り口から若いイケメンの青年がモップと箒を持って現れた。

 廊下の清掃が一息ついたみたいだ。

 彼が川崎の彼氏かな?


「あ、あなたが宇佐美さんですか?」


「はい。 宇佐美 京也です」


「僕は熊川(くまがわ) (あとし)です。 川崎 唯さんの彼氏でもあります。 よろしくお願いします」


「ええ、こちらこそ」


 人当たりのいい性格をしているし、このマンションの管理人という仕事も理解している。

 川崎との相性も良さそうだ。


「あ、宇佐美さん、お疲れ様です」


「うさおじちゃんだー!」


「おしごと、おつかれさまー」


「ああ、戻ったよ」


 川崎の彼氏と初対面の挨拶を交わしたと同時に、高岡さん母娘が出て来た。

 奈々ちゃんと佐奈ちゃんが俺の元に駆け寄っては足にギュッと抱きついた。


「「おねえちゃんもおにいちゃんもおはよー」」


「おはよー、奈々ちゃんに佐奈ちゃん」


 俺の足に抱きついたまま、川崎や彼氏の聡くんにも幼女らしい挨拶をする奈々ちゃんと佐奈ちゃん。

 俺は『うさおじちゃん』だが、川崎は『おねえちゃん』、聡くんは『おにいちゃん』か。

 まぁ、俺は42だから仕方がないがね。

 

 確か川崎は24歳だったはずだな。

 桧山も同じだったかは知らないが……。


「高岡さん、プラゴミですか?」


「ええ、教えてもらった場所に捨てるところです。 今日は保育園はお休みなので、私は一日中娘を見る予定です」


「そういや、世間は祝日でしたね、今日は」


 そうだった。

 世間じゃ今日は祝日だ。

 しかし、俺は今夜も電車通勤のコンビニでの夜勤をこなさないといけない。

 まぁ、食っていくためには仕方がないと割り切っているがね。


「プラゴミを出し終えたら朝ご飯を用意しますので、305号室に来てくださいね」


「あ、いつもありがとうございます」


「「うさおじちゃんはきょうもおしごとなのー?」」


「うん。 残念ながらね。 お昼の2時には寝ないといけないからね。 まぁ、それまでは遊んであげれるよ」


「「やったー♪」」


 高岡さんは、今回も朝ご飯を用意してくれるそうだ。

 本当に申し訳ない気がするが、あの件から彼女は押せ押せムードになっているな。

 奈々ちゃん達も昼に寝るまでは、遊べるし。

 そんな事を考えつつ、俺は高岡さん母娘がプラゴミを捨てる場所に向かう様子を見守る。


「先輩、あの人といい感じじゃないですか?」


「からかうなよ」


「唯さんから聞きましたが、あの幼い子にも懐いてくれるんですから、宇佐美さんはいい人だって改めて知りました」


「聡くんまで……」


 川崎を聡くんが、さっきの様子を見てニヤニヤしていたようだ。

 確かに高岡さんとはいい感じだし、奈々ちゃん達も懐いてくれてるが、今の俺はコンビニアルバイターだぞ。

 収入も少ない俺にどうしろと……。


「ともかく俺は部屋に戻る。 着替えないといけないしな」


「ええ、先輩。 今日もお楽しみを期待してますよー」


「あのなぁ」


 最後まで川崎にからかわれながら、俺は304号室に向かったのだった。



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