第11話 コンビニ夜勤時の話
「相変わらず、奮闘してるなぁ」
「もうすぐ、ワンオペですし。 面倒な作業はさっさと終わらせるに限りますよ」
「まぁ、確かに俺がもうすぐ帰るというのはあるが……」
休み明けのコンビニ夜勤。
毎週月曜日の夜勤は、新商品やら販促物の差し替えやらで忙しいのだ。
今働いてるコンビニのオーナーは、ここだけでなく他の店舗も運営しているらしい。
ただ、俺の掛け持ち先は同じ【セカンドマート】であっても、違っオーナーの店舗だ。
あっちは、別の曜日に入れてるので今日のような忙しさはない。
幸いにも、毎週月曜日はオーナーが夜中の3時まで居てくれるから、ワンオペの時間帯は短くて済む。
「そういや、顔色は良くなってるな。 カップラーメン生活から脱したか?」
「いえ、まだ完全には」
「そうか。 しかし、お前さん程の仕事人がコンビニで燻ってる様子が想像できないがね」
「何度も言われてますが、昔の話です。 今は転職活動に失敗してコンビニに縋るしかないアラフォーの男ですよ」
オーナーは、今でも俺がコンビニでアルバイトをしているというのが、想像できないらしい。
コンビニ業界でも、何故か俺の名を知っているみたいだが。
ちなみに、昨日の昼と夕方の食事も高岡さんが手料理を作ってくれた。
奈々ちゃんと佐奈ちゃんは、一昨日よりも俺に懐いてくれてたし。
一応、彼女の兄や姉にも相談してみるとは言ったが、そんなに早く答えは帰ってこないものだと思ってる。
寝る時も高岡さんが住む305号室で、四人一緒に寝たしな。
「と、そろそろウォークインの作業も終わるか。 俺はそろそろ帰るぞ」
「はい、お疲れ様です」
ウォークインの作業もようやく終わり、丁度夜中の3時になったので、オーナーは帰宅した。
近くに住んでるので、何かあれば電話してくれとは言ってくれたが、流石にあんな事はないだろうと思いたい。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「お疲れ様でしたー」
「お疲れ様です」
何とか残り三時間を乗り切り、月曜の夜勤を終える事が出来た。
今日の朝の勤務の人に引き継いでからコンビニを出る。
幸いにも今日は、おかしな客などに出くわすことが無かった。
(そういや、桧山に返信するの忘れてたな。 まぁ、川崎が伝えてるか)
俺はふと桧山への返信メールを送っていないことに気付いたが、昨日再会した川崎が伝えてくれることを信じておくか。
念のため、PCのメールから返信してもいいだろう。
(さて、帰ったらWEB小説の更新をしておくか。 後で高岡さんにも挨拶しておかないと)
ひとまず帰ったらWEB小説を更新しておこうと思う。
また、高岡さんにも挨拶しておこうとも考えた。
平日なので、奈々ちゃんと佐奈ちゃんは保育園に預かってもらう形になりそうだしな。
色々考えながら、歩く速度を速めつつ自分の住むマンションに戻って来た俺。
まだ、川崎とそのお母さんは起床していない。
ただ、高岡さんは子供の為に早起きをしているので、挨拶は出来るだろう。
「あ、宇佐美さん。 おはようございます」
「おはようございます、高岡さん。 今日もチラシがかなり入ってますね」
「ええ、前の住処はそうではなかったのですがね」
高岡さんも苦笑しながらポストに入っているチラシを取っていく。
「まぁ、別の使い道があるので、取っておきますが」
「ああ、確か生ごみを包んだりとか?」
「そうですね。後は爪切りの時とか」
チラシを手に持ちながら俺と高岡さんは三階へ向かう。
俺の所もやはりチラシがたくさん入っていた。
大半が興味のない業種のチラシなので、ゲンナリしている。
「そういや、今日は奈々ちゃん達は保育園に預ける予定で?」
「ええ、宇佐美さんも夜勤疲れでしょうし、私も昼から少しパートの仕事があるので。 あ、ご飯を持ってきますので待っててくださいね」
色々な話を高岡さんとしているのだが、今日も朝ご飯を持ってくると言って、305号室へ入っていった。
そして、すぐにタッパーに入った料理を持って来てくれた。
「今日はポテトサラダをメインに作ったんです。 よかったら食べて下さいね」
「あ、ありがとうございます。 いただきますね」
「タッパーは明日にお返ししてくれればいいので」
「分かりました」
そう言いながら、俺は高岡さんと別れて304号室に入っていく。
高岡さんの手料理を食べながら、スマホを用意して桧山への返信をしておくとするか……。
今回のポテトサラダ、すごく美味しかったな。
唐揚げも入ってたし……。
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