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冴えない底辺アラフォーの俺は、お隣さんの母娘に愛される  作者: イズミント


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第10話 幕間①~二人の後輩女子~

今日最後の更新です。

幕間の話で、後輩女子たちの会話です。


しつこいようですが、この作品には非現実的な流れがあります。

ご了承ください。

「え!? 宇佐美先輩が、唯ちゃんの祖父が大家をしていたマンションに住んでいるって!?」


「うん。 ある事情でそのマンションに訪れた際に偶然再会して……」


「うあー、マジでー!? 私は先輩にメールしたのに返事が来なくて……」


 さて、あれから翌日。

 私こと川崎(かわさき) (ゆい)は、前の会社の同期だった桧山(ひやま) 友梨佳(ゆりか)ちゃんの住むマンションに遊びに来た際に宇佐美先輩の現在について話をした。

 どうやら、宇佐美先輩は友梨佳ちゃんにもメールで返事をしていなかったようだ。

 でも、再会した際に先輩の事情を聞いたので、それを正直に伝えて行こうと思う。


「宇佐美先輩、現在は転職活動に失敗して、コンビニ夜勤のアルバイトで食いつないでいるみたい。 しかも掛け持ちの週6日で」


「うそぉ!?」


「本当だよ。 多分、あの課長一家や部長一家に言われた事がすっごく心の傷として残ってるっぽい」


「最悪すぎる……! あいつら、先輩が高卒だからってだけで……!!」


 宇佐美先輩の事情を聞いた友梨佳ちゃんは信じられないと言った表情で驚いていた。

 私達よりもしっかり仕事していて、さらに私達へのフォローもしてくれていた先輩が、あそこまで堕ちてしまっていたんだから。

 それもこれも、あの学歴至上主義の課長一家や部長一家のせいなんだ。

 彼が高卒だというだけで、無能と見下し、彼を精神的に追い詰めたんだ。

 私達や小谷(おたり)先輩が何とか励ましたけど、焼け石に水だった。

 そして、先輩の成果を課長一家が横取りをした件で社長に直訴しても聞く耳立ててくれなかった事で、彼は崩れてしまったのだ。

 その翌日に退職届を出すほどに。


「宇佐美先輩が辞めた後、私達はあいつらにセクハラされたんだよね」


「うん。 みんなの前でスカートを捲られたし、トイレの邪魔もされたし」


「私もだよ。 味方が多かったおかげで私達は漏らさずにすんだけど、アレは酷かったね」


「小谷先輩と話し合って、同時期に辞めようって決めたのもそれなんだよね」


 そして、宇佐美先輩が辞めた後にあいつらの矛先は私達に向かった。

 スカート捲りなどのセクハラをされ、トイレの邪魔をされた事が何度もあった。

 特にトイレは、味方の女性社員が助けてくれたおかげで漏らさずに済んだが、それが私達があの会社を辞めるきっかけになったのだ。


「前はあんな感じじゃなかったのにね」


「うん。 あいつらの会社が突如あの会社を敵対的TOBで問答無用に買収してからだね」


 そう。

 かつてのあの会社は、まともな会社だった。

 しかし、学歴主義のあいつらの会社が敵対的TOBによって買収されてから、雰囲気が悪くなった。

 あいつらが突如課長ならびに部長となって、人事もガラリと変えられた。

 そして、社内を徐々に大卒の社員のみにしようとしていたのだ。


「宇佐美先輩以外にも高卒の人達は次々と辞めたけど……」


「労基や警察に相談しようにも金や物理で圧力をかけて相談をさせないようにしていたんだよね。 酷い話だよ」


 残った大卒の子によれば、労基や警察などにも金や物理的な形で圧力をかけて、不正解雇などの相談を受け付けないように仕込んでいたと報告があった。

 これもこれで、酷い話である。

 世間のルールなどお構いなし、自分の考えたルールこそが正しい。

 奴らはそれで会社を大きくしていったのだ。


「でも、流石に取引先も馬鹿ではなかったみたいだね」


「そうね。 多数の取引先が学歴主義の会社に乗っ取られたと知ってから、即座に取引を辞めた会社が多かったしね」


 とはいえ、光がなかったわけではない。

 前の会社の現状は、学歴主義の奴らの会社に乗っ取られたと知った多数の会社が、すぐに取引をしないと言ってきたらしい。

 残った社員は、そのクレームに追われて、人事や会社を実質支配している課長や部長が発狂しているみたい。

 買収された後の社長が、完全にハリボテで逆に権限が無くなったのも後から知って驚いたけどね。


「とはいえ、最近引っ越してきた高岡さんというシングルマザーの人が宇佐美先輩を何とかしてくれそう」


「そうなの?」


「うん。 あの人の娘さんが宇佐美先輩に懐いてるから」


「そっか、宇佐美先輩は元々優しい人だったしね」


 後、これから私が母と一緒に祖父の代わりに管理していくマンションに引っ越してきた高岡さんというシングルマザー。

 彼女が闇に堕ちて行った宇佐美先輩に光を照らしてくれると信じている。

 私と友梨佳ちゃんは彼氏がいるから、上手く支えてやれないのが悔しいが、高岡さんの娘さんに懐いているので、それがきっかけとなってくれれば。


「唯ちゃんは、これからあのマンションの管理人になるんだっけ?」


「うん、母と一緒に。 彼氏も手伝ってくれる」


「そっか、羨ましいな。 私も彼氏とそろそろデートしないと」


「あはは……」


 友梨佳ちゃんの方は、仕事が軌道に乗ってる為に忙しいらしく、なかなか彼氏にデートの約束が取り付けられないそうだ。

 まぁ、お互いの彼氏自体は優しくて理解度が高いのでかなりマシだが。


「とにかくお互い頑張ろう。 また、宇佐美先輩の事で動きがあったら教えてね」


「うん。 後は小谷先輩からの情報待ちだしね」


 その後は自分達の趣味とかで話を盛り上げた。

 私達は酒が苦手なので、コーラを飲んでだが。


 ともかく私も頑張らないと。

 管理人の仕事、意外とキツそうだしね……。


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