表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/35

第11話 孤独な勇者



 ただ一人で、世界中の命運を背負わされている事実に耐えきれず、潰れてしまいそうだった。


 それでも、修行にあけくれる日々は、まだマシだった。


 武闘大会で戦っている内も。

 だが、正式に勇者になった後からが大変だったのだ。


 会う人すべてが俺に期待してくる。


 会う人すべてが、成功を望んでくる。


 会う人すべてが、すがってきて。


 会う人すべてが、よりかかってきた。


 それらの感情が、とても重たかった。


 まるで呪詛の言葉を耳にしているようだった。


 そんな俺を救ってくれたのはクリスティーゼ姫だ。

 俺の最愛の人で、何よりも大切な俺だけのお姫様。


 世界平和、正義の象徴、魔王討伐。


 俺の人格を無視して、俺の平穏に過ごしたいという願いも考えられず、人々は勝手な幻想を押し付けるばかり。


 強く、在れ。


 気高く、在れ。


 凛々しく、在れ。


 逞しく、在れ。


 一挙一動が、見張られているかのようだった。


 この国の王から直々に魔王討伐を依頼された後は、毎日が息苦しくて、すべてを投げたしたくなっていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ