ドロー!俺のターン!-5-
俺:
手札2枚 デッキ9枚 墓場19枚 ライフ10
【場】
なし
【手札】
[天使の涙 / 魔法]
[???]
笹山:
手札2枚 デッキ5枚 墓場21枚 ライフ11
【場】
[アンダルシアの守り人 / P5]
[バルカンカンガルー / P4]
「このカードは……!?」
[女神の気まぐれ/魔法]
“効果: デッキから【魔法】カードを引くまでカードをドローして、相手に公開する。【魔法】カードを引いた枚数だけ相手のモンスターを破壊する。ただし、一枚目で【モンスター】カードを引いた場合は、自分のライフに5ダメージを受ける”
(やったぞ!この盤面には持って来いのカードだ!)
俺は脳が震える感覚を覚えた。それは、勿論喜びの為だ。
(だがしかし、このカードには【魔法】カードを引かなきゃならないという条件がある……)
俺はデッキに残るカードを完璧に把握していた。何故ならば、前のターンに[サーチペンギン]を使ったとき、デッキのカードを見ていたからだ。
(残る魔法カードは4枚……確率としては半分に満たないか……)
(しかし、このカードを使う以外に手など存在しない。ここは、俺を信じるしかない!)
俺は手札からカードを出した。
【俺は[女神の気まぐれ/魔法] を発動した】
「め、女神の気まぐれだと~!?」
笹山は立ち上がり、わなわなと唇を震わせている。
「お、お前!そんなレアカードどこで手に入れたんだよ!」
「いや、なんてことはない。この前一パックだけ買ってみたら、偶々当たったまでさ」
因みにこのテーブルゲーム【モンスターコロシアム】は1パック5枚入りで200円だ。
中学生の我々にとっては、ちょっと高い。
「く、くそー。モンスター引けモンスター引けモンスター引け……」
笹山は念仏を唱えるがごとく、手を合わせ僕に邪悪な祈りを向けている。
「ふん、どうせ念仏を唱えるんなら、今から玉砕する貴様のモンスターにすべきだぜ!」
俺はカッコよく言い放つと、デッキから[女神の気まぐれ]の効果で、一枚目のカードをドローした。
ドロー!俺のターン!-5- -終-