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星よきいてくれ  作者: 陸一じゅん
第1.5部【第20海層】『魔の海』

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第一部◇あらすじ

第一部ラストまでのネタバレたっぷりになります。

既読の方にはおさらい、未読だけど第二部から読みたい!という方に向けたものです。(よければ第一部もよろしくお願いします)


 多重海層世界。

 科学の発展により世界そのものを鳥瞰した学者たちは、世界をそう定義した。

 二十に分かたれた大地。かつて、この地には神々の戦争があった。

 きっかけは傲慢を極めてしまった人類への断罪。最下層に落とされた王国アトランティス。戦乱は一人の魔女によって終息する。

 魔女は予言する。「やがて再び『審判』の時がやってくる」

 そんな神話から三千五百年。


 魔女の子孫が収める国『魔法使いの国』の杖職人見習いサリヴァンは、相棒の魔人ジジと共に、かつてのアトランティス最下層『フェルヴィン皇国』で目を覚ます。国へ戻ることを望むサリヴァンであったが、城下町にて幼馴染の若者ヒースと再会する。幼馴染との偶然の再会に、懐疑的になるジジとサリヴァン。

 その予感は的中し、この国ではすでに未曽有の異変が蠢いていたのだった。


 フェルヴィンの老皇帝レイバーンには五人の子がいる。

 皇太子グウィン、皇女ヴェロニカ、ケヴィン、ヒューゴ、そして末のアルヴィン。

 先祖の物語を枕に育ったアルヴィンは、優れた兄姉への憧れと劣等感を抱く十四歳の少年。フェルヴィン皇帝一族の傍らには、かつて魔女が銅板にかけた意志ある魔法こと『魔人』のしもべがいた。

 その名も『語り部の一族』。彼らは主の人生を記録し、物語として編み上げる。魔女による『誓約』に従って。


『死者の王』により占拠された王城の地下深く、今や部屋に残っているのは皇女ヴェロニカと末のアルヴィンだけであった。

 アルヴィンは死を覚悟して、自ら部屋を出る。語り部ミケはそんなアルヴィンの運命に抗うため、自身にかけられた『誓約』を無視して救出に動く。

「この身がたとえ消えようとも」

 その決意は死者の王の配下『魔術師』により打ち砕かれ、ミケはただの銅板に戻り、アルヴィン皇子は頭蓋骨を奪われてしまう。アルヴィンの頭蓋骨により死から蘇った英傑皇帝・ジーン・アトラスと、すでに屍となっていたレイバーン皇帝を操り、魔術師は『審判』開始を宣言した。


 審判に必要なのは、22人の選ばれし者。死の淵にいたアルヴィンは、『宇宙』と出会い『星』のさだめに選ばれる。

 しかし、再び現世へ舞い戻った『星』アルヴィンは、理性を無くした怪物と化していた。


 城の脱出に成功したヴェロニカは、街でサリヴァンらと出会う。

 その直後、王城より冥界の青い炎が立ち昇り、最下層フェルヴィン皇国全土は、神々による最後の審判、『第一の試練・石の試練』に包まれる。

 石と化した民たちに囲まれながら、サリヴァンは皇女に、自身の出生の秘密を明かす。

 魔法使いの国サマンサ領主・ライト伯爵が子息にして、『とある高貴な御方』の侍従。

 そして、曾祖父にとあるフェルヴィン人を持つ魔法使い。その名はコネリウス。ジーンの弟コネリウスを曾祖父に持つ。それがサリヴァン・ライトという魔法使いの正体であった。

 ヴェロニカは、サリヴァンに弟たちの命運を託す。


 一方そのころ、講堂の崩落に巻きこまれたヒューゴ皇子は、兄弟を探し、暗闇の中を彷徨っていた。

 辿り着いたのは『本の墓場』と呼ばれる大図書館。そこで父の語り部ダッチェスと再開したヒューゴは、合流した兄たちとともに策を練る。

 皇太子グウィンが新たな『皇帝』となれば、亡霊であるレイバーンは解放されるという。しかしダッチェスは戴冠にあたって一つの問題を提示した。そのためには、魔女の末裔である魔法使いの存在が不可欠であった。


 王城へ乗り込んだサリヴァンとジジ。二人は王城地下へと歩を進め、皇太子グウィンらと合流を果たす。

 グウィンの『皇帝』戴冠を成したサリヴァンは『教皇』のさだめを得る。


『皇帝』となったグウィンは、父と弟の闘争の場へと赴いた。そこではすでに無力化されたアルヴィン(の肉体)と、崩れ落ちる父レイバーンの姿があった。

 グウィンとレイバーンは束の間の言葉を交わし、老皇帝とその語り部は、未来を託して消滅する。


 そのころアルヴィンは、冥界にいた。

 その魂は肉体から離れ、アルヴィンの体は『魔術師』の思惑通り、災厄の種となろうとしていたのだった。

 ジーンは、冥界を彷徨うアルヴィンを見つけ地上へ導かんとするも、失敗する。

 冥界の闇へと逃げ出したアルヴィンは、その先でミケの声を聴き、折れた心を決意で新たにする。

 そして『星』は、地上へと向かう。


 その直後だった。

 王城上空に、アルヴィンの体が浮上する。空に食い込んだ火炎の華は、不吉を予感させた。

 一行は城から撤退し、作戦を練る。

 華の軸はアルヴィン……の、失った頭蓋骨を補ったミケの銅板。それを切り離せば、あの華は消えるはずなのだ。

 フェルヴィン全土は、冥界より吹き上がる濃い霧と冷気に包まれる。

 顕れる災厄を象徴する天使・アポリュオンと、その配下たち。

 苛烈な攻防のなか、サリヴァンは箒に跨って空へと飛び出した。

 剥き出しの魂で地上に降り立ったアルヴィンは、ジジからミケの銅板の欠片を手渡される。銅板を種火に、再び体を補ったアルヴィンもまた、空へと飛び立った。


『星』『教皇』『皇帝』『愚者』そして『宇宙』。

 フェルヴィンに咲いた災厄の華は、『教皇』サリヴァンの剣をもって切り落とされる。

 散る華は……ミケの欠片たちは、無数の光となってフェルヴィンの空を彩った。

 フェルヴィンの空が晴れる。

 アルヴィンはそれを見上げて、ミケとの再会を誓うのだった。



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