第二話「5人の旧友」《3》
「これは任務だ。すまないが、やられてもらおう」
親友のうちの一人が言った。
銀色の髪は、いつも通り短く、黒い瞳は、よく見えない。
目が細くなっているからだろう。
ケイズ・ファリナス。
男の名前だ。
身長は、ファイより少し高く、年も、ファイより六歳も年上だ。
ケイズは、ファイの、指南者だった。
指南者とはその名の通り、魔法の使い方を、指南するものを指す。
そのケイズには、妹がいる。
ケイズの左後ろにいる者だ。
兄と同じ銀色の髪で、肩より少し下まで伸びている。
瞳も銀色で、それは今もよく見える。
なぜなら彼女は、今も目は鋭くないのだ。
彼女の名は、メサイア・ファリナス。
メサイアとは、ケイズも一緒によく任務をしていた。
その時に分かったのだが、メサイアはケイズと違い、好戦的ではないようだった。
「すまん。ファイ…」
そう言って、一人の男が出てきた。
「あぁ。そろそろやるか」
それと同時にケイズも前に出た。
最初に出てきた男は、少し短い赤い髪で、赤い瞳は今は分かりずらい。
背はファイと同じくらいで、年も同じだ。
男の名は、フィクス・シリマス。
フィクスはファイと同時にシャラジューマに入った者であり、そして…
シャラジューマに入って初めての友達…親友なのだ。
任務を一緒にやる事はそれほど無かったけれど、それでも仲の良さは変わることは無かった。
先に攻撃を仕掛けたのはケイズだった。
右手を上に上げた。
すると地面が揺れ始め、亀裂が出来始めた。
その地面から、砂…いや、岩が、宙に浮き始めた。
ケイズの能力…『岩』だ。
宙に上がった岩は、ケイズが右手を振り下ろす合図と同時に、ファイに向って飛んでいった。
ファイはすでに風を足に集めていた為、楽に避けることが出来た。
岩は、ファイが元いた場所の壁にあたって砕けていた。
ファイが、避けるのを読んでいたようにその先では、フィクスが右手を開き、ファイの方向に伸ばして待ち構えていた。
それに気付くと同時に、その右手から、光る何かが発射された。
その正体は、しっかりと見なくてもファイには分かった。
火だ。
そう、フィクスの能力は、『火』だ。
ファイは慌てて高くジャンプし、火、そしてフィクスまでをも飛び越した。
「今ここで死んだら、抜け出した意味が無くなる…。ごめんみんな。この任務、失敗で終わっちゃうよ」
ファイは悲しみをこらえ、笑顔で言った。
中身が無い、表面だけの笑顔で…




