第十四話「戦後」《3》
次に来たのはケイズだった。
ケイズはよく訪れるので珍しくはない。
用件は毎回同じで、レインのことだ。
レインは元気だが、大怪我なのだ。
最近になって、歩けるようにはなったらしいが。
何故、レインのことをケイズが言いに来るかというと、レインはケイズの家にいるのだ。
ケイズの両親はこの街に住んでいる。
よって、ケイズ、メサイアはそこに住み始めた。
しかし、ファイやレイン、レイス、フィクス、シュハードは住む所がないのだ。
話し合った結果、ファイとシュハードはジェイダスの家に。
レイン、レイス、フィクスはケイズの家となった。
「そろそろ休むか」
ふと、そんなことが聞こえた。
ケイズが帰ったすぐ後だ。
全員影のある場所に座り込む。
休憩の時間だ。
「ファイ」
作り途中の壁の影で休憩していると、男が近付いて来た。
先刻の声の主であり、この仕事の責任者でもある者だ。
男の名は、シガル•ケイスト。
金色の髪と瞳が特徴で、背が高く、体格がいい。
いかにも建築家という感じの男だ。
今日も娘の話を聞いた。
サイクスとの戦いの翌日、その日、初めてシガルと出会った。
ジェイダスと一緒に仕事を探していたのだ。
ジェイダスと共に仕事の責任者であるシガルに会うと、すぐに了承してくれた。
「もしかしてそちら、ジェイダス・アルソリーさんですか」
会ってまず言われたのはそれだった。
ジェイダスは二年間、この街を守っている。
別に名前を知っているのは不思議ではない。
が、ジェイダスに聞いたら、そうでもなかった。
「確かに知られてるかもしれないが、顔だけだと思っていたんだが」
名前を知っているのは不自然。
そう言いたかったらしい。
しかしシガルという男は、危険はなさそうだった。
九日間経ってもその気持ちは変わらない。
特に奇妙な行動はしていないのだ。
「そろそろ再開するとするか」
それから数時間仕事をし、その日は終わった。
家に帰るころにはもう夕方だ。
帰るとすぐにレイラの作った夕食が待っている。
夕食を食べる前に、とある部屋に寄った。
シュハードがいる部屋だ。
ベットの上で、シュハードは寝ていた。
シュハードは死ぬ寸前だった。
今はまだ良いほうだが、五日ほど前までは大変だったのだ。
良い方と言っても、まだ歩けるようになるにはほど遠い状況だ。
が、会話が出来るようにはなった。
ファイはしばらくシュハードの部屋にいて、そこを去った。




