第十四話「戦後」《1》
「……ふう」
晴天の中、ファイは大きく息を吐いた。
シャラジューマを抜け出してからずっと走ってきて、ようやく足を休ませることが出来ると思ったらこれだ。
しかしやりたくないわけではない。
今、ファイは街の人々と一緒に家を建てている。
正確に言うと、直している、になるが。
魔法なんて勿論使っていない。
使ったら問題だ。
この家は、サイクスと戦った時に壊れたものだ。
しかし街の人々は知らない。
知っているはずがない。
サイクスとの戦いは、無事に終わった。
もうあれから、十日経っているのだ。
レインは元気に、シュハードは重傷ながらも、しっかりと生きていたのだ。
ジェイダスやイルド達は、魔法が解け、目を覚ました。
何故かは分からない。
その理由は、ファイはサイクスを見ていないのだ。
あの後、気がついたら倒れていて、サイクスは消えていた。
「おーい」
何処からか声が聞こえた。
周りを見ると、手を振りながらこちらへ歩いてきているジェイダスがいた。
ジェイダスには、いや、操られていた者には、まとめてファイが説明した。
その中には当然ケイズ達もいる。
だからもう一つ、重要な話をした。
ケイズ達についてだ。
しかしそれについてはもう決めていたようだった。
「俺達も抜ける」
そう、ケイズが言った時は声を出して喜んだ。
「ジェイダスさん、どうしたんですか」
あまりここに来ないジェイダスが来て、少し気になった。
その時も、汗をかきながらしっかりと体を動かしている。
「イルドが来た」
サイクスとの戦いの翌日、イルドとラーチャはスレイタウンを去った。
二人でよく考えた結果、村を元に戻そうと考えたらしい。
イルドの祖父も一緒に村に付き添った。
度々、イルドは街を訪れる。
前回来た時は、村の現状報告だ。
どうやら、国が村を直すのを手伝ってくれているらしい。
シントスやリスターはというと、休む間もなくサイクスとの戦いの日にレクシィ城に帰ってしまった。
その後、スレイタウンの人々が無事、街に戻って来たところを見ると、何かしてくれたらしい。
「イルド、何か言ってましたか」
「あぁ。当分はスレイタウンには軍は進めないだろう、だってよ」
サイクスとの戦いから、この街を中心とした戦争は起きていない。
遠くの場所では起きているらしいが、ここではまだ一回も起きていない。
そんなことを考えていたら、いつの間にかジェイダスの姿は消えていた。




