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第十二話「間者」《4》

スレイタウンの北東。

そこに中立の村があった。

しかしそれは昔の話、今は東の国の領土だ。


そこには三年ほど前、後に間者となる五人の兵士がいた。

その時は兵士などではなかったが、自分たちの村を守るために銃の訓練などを欠かさずしていた。

村人は少なく、その中でもさらに若者は少ない。

まともに戦えるのは五人だけだった。


しかし一回もそこは戦場とならなく、平和そのものだった。

五人も、訓練をしながらも戦争が起きないのを望んでいた。


それが壊されたのが三年前だ。

そこは戦場と化した。

さらに五人が驚くこととなったのは、攻めてきた者が不思議だったからである。


シャラジューマ。


東でも西でもなく、シャラジューマが攻めてきたのである。

抵抗すら出来ない村の人達を、容赦なく殺していく。

悪夢だった。


つい先刻まで笑っていた人が血まみれに。

つい先刻まで遊んでいた幼い子供が涙が出なくなるくらい泣き叫び。

つい先刻まで銃を操っていた自分の手が、震えていた。


その時も仮ではあるが隊長であったリスターは、震える自分の手を押さえ、指示を出した。

少人数であったが、やはりシャラジューマは強かった。

銃を撃っても簡単に止められる。


「隊長!!」


するとケミアに呼ばれた。

何か物音が聞こえ始めてからだ。


いや、違った。

物音という大きさではなかった。

もっと大きな、そして大量の……足音だった。


「隊長!!なんと、ロイシャラン王国が!!」

「!!」


この大量の足音、それはロイシャラン王国の軍団だった。

しかもそれは攻めに来たのではない。

助けに来てくれたのだ。


今はどんな助けでも嬉しかった。

その足音を聞いてか、シャラジューマはいつの間にか姿を消していた。


怪我人の手当て、村の修復、それを全てやってくれることとなった。

が、当然見返りを求めて、だ。

その見返りはやはり、ここの領土だ。


残り少ない村の人達で話し合った結果、それを了承した。

ただしもう一つ、条件を出した。

リスター達を、ロイシャラン王国の兵士にすることだ。


それをロイシャラン王国は許してくれた。


リスター達は、まず訓練を受けることとなった。

兵士になる時、誰もが受ける最初の訓練だ。


それを指導するもの……それがシントスだった。


その訓練を見た結果、リスター達は間者になることとなった。

異論はない。

むしろ光栄だった。

最初からこんな重大な仕事を任してくれるなんて。


こうしてリスター達は、間者となったのである。

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