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第十二話「間者」《2》

「ここまで弱いとは……」


サイクスは息切れもせずに言った。

ファイは言い返せない。

全く歯が立たない。


強すぎる。

今まで戦ったことのある誰よりも。

恐らく、あの №2 (クラウ)よりも強い。


「はぁ……はぁ……」


ファイは息切れをしつつも風を足に集めた。


「まだやるか……なら!」


するとサイクスは水の塊を、左右に二つ作った。

その水の塊は人型に変形し、サイクスとなった。


「二対一だ」


サイクスは腕を組んだ。

口元がにやけている。


ファイは無理だった。

水とは言ってもサイクスだ。

それも二人。


水のサイクスは近づく。

それに合わせ、ファイも一歩下がる。


「……なんてな」


サイクスのその言葉と同時に水は動いた。

サイクスの形から一瞬で水に戻り、ファイの両手両足に付いた。

するとその水は凍る。

『氷』の魔法だ。


「しまっ!!」


その状態になってようやく自分の状況に気付く。

一瞬だった。

一瞬で水のサイクスは氷になっていた。


その氷は肩から手の爪まで。

膝から、足、そしてその下の屋根の一部まであった。


ファイは動くことが出来ない。

しかし魔法を使うことは出来る。

出来るが使えなかった。

体力がない。


頑張ればまだ使える、といったところだ。


「そこでじっと仲間が死ぬのを待っているんだな」

「……」


ファイは気にしない。

そんなことがあるはずないと信じていたから。


「!!」


ファイは驚いた。

サイクスの腹部に、剣が刺さったのだ。

確かに驚きもあったが、喜びもあった。

この剣は見覚えがあった。


「レイン!!」


何処にいるか分からなかったが、叫んだ。

この剣は間違いなくレインの物だ。

レインの剣のもう一つの使い方、『空』で剣を操る。


「生きていたのか」


サイクスはその言葉を残し、水と化した。

レインは、ファイの姿が見える近くの道にいた。


「ファイさん!!」


レインは叫びつつ、剣を上空から手元に戻す。

サイクスはというと、ファイの前の屋根の上からレインを見下ろしていた。


レインはそこへ飛び上がる。

足元の空気を膨張させたのだ。

レインはサイクスのさらに上まで飛び、サイクスを見下ろす。


「……」


サイクスはただ余裕そうに上を見上げている。

レインは剣を両手で強く握った。

その僅かな動きを、サイクスは見逃さなかった。


レインの後ろに一瞬で回りこみ、風で吹っ飛ばした。


「な……に!」


レインは屋根の上に叩きつけられた。

しかしすぐに立ち上がり、上を見る。


「『(リキ)』」


サイクスは呟く。

その右手には拳が作られていた。

レインは咄嗟に剣を目の前にやる。


が、その剣は拳によって粉々にされた。

鉄が拳に負けたのだ。

その拳はそのままレインの顔面へと近づいていく。


レインは咄嗟に体を下に反らす。

だがそれは、サイクスに背を見せる形となっていた。


サイクスは下に反らすのを読んでいたように散らばった剣の破片をつかむ。

それをそのままレインに刺した。

そしてそれを抜き、もう一度構える。


「終わりだ」


レインの首目掛けてそれを振り下ろす。


「させるか!!」


しかしそれはファイによって阻止された。

風でサイクスを飛ばしたのだ。


ファイは息切れをしながら言う。


「俺はまだ戦える」


ファイは風を足に集めた。

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