表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/75

第十一話「深夜二時」《3》

リスターは悲しかった。

他の三人も、何かが違うことに気付いていたらしい。

と、いうことは、ケミアは偽者の可能性が高いのだ。


なら、目的があるはずだった。

ケミアに成る目的が。

もし、命を狙っているとしたら、ケミアの正体は、二通りまでに絞られる。


一つは、西の国の者だ。

自分達間者の命を狙いに来た。

もしくは、自分達のように、東の国に間者として過ごすつもりか。


もう一つは、シャラジューマだ。

その場合、自分達の命ではなく、ファイ達の命だろう。

現に、ファイは裏切り者は殺される、と言っていた。


その事を話したが、一つ目が否定された。


技術だ。

西の国には、ここまで本人にそっくりにするような技術はないのだ。

何年も潜入していたのでそれくらいは分かる。


「……と、すると」


リスターが結論を言う。


「今のケミアは、シャラジューマだ」


消去法で、そうなってしまう。

魔法を使えば、本人そっくりなんて余裕だろう。

しかしそうなると疑問が生まれてしまう。


何故、こんな回りくどい真似をするのか。

何故、殺すチャンスはいくらでもあったのに、何も行動を起こさないのか。


やはり、違うのか。

そう思ったが、他の場合だと疑問がさらに増えてしまう。


「なら……どうする?」


リスターはきつい目つきだった。

もし、いや、ケミアは偽者、これは間違いない。

なら、本物のケミアはどうなっただろうか。

この場にいる全員がそれを思ったが、誰一人それに触れなかった。


「やっぱり、捕まえるんじゃ」

「シントス殿。相手はシャラジューマですよ」


捕まえる。

リスターもそれを考えたがすぐに結果は出る。

自分達の死。

たとえ複数で戦ってもそうなるだろう。


「なら、放置するつもりじゃ」

「いえ。……ちょっと」


そこでリスターがにやけた。

何か考えがある。

それは顔を見ればすぐ分かった。


「あの偽ケミア。あいつは俺らより強い。それは事実です」


それがたとえ、初級者でも。

魔法が使えるのと使えないのとでは全く違うのだ。


「で、なら、それを使いましょう。偽ケミアを、戦力として使うのです。今日、戦いで」


ここまできたら分かった。


「ケミアと行動した者は、気絶したふりをします。全員。そしたら、もしかしたらケミアが魔法を使って敵を倒してくれるでしょう」

「リ、リスター君!」

「大丈夫です。その敵が死ぬまでに、気絶したふりをしている者が偽ケミアに……」


それがリスターが考えた作戦だった。

成功するかは分からない。

その時、そう思っていた。

が、今現在、良い方向にしっかりと進んでいた。


気絶してるふりをしている二人は、とても喜びたかった。

が、今はただ隙を待つのみ。

気絶していないのを気付かれないように。


二人は思った。

隊長は、大丈夫だろうか、と。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ