第九話「裏切り」《3》
午後になった。
昼食は家にあったものでラーチャが作ってくれた。
テンションは、低いが機能よりではない。
段々と戻ってきていた。
が、そこに訪問者が現れた。
全員が集まっているこの部屋のドアが開く。
そこに立っていたのは、またもやケイズだった。
「新しい情報を伝えに来たぜ」
ケイズはサイクスの口調で、しかし棒読みに言った。
新しい情報。
嫌な予感しかしなかった。
「人質となっていたシュハードが死んだ」
「!!」
ファイは声が出なかった。
シュハードが死んだ。
確かにそう言った。
「な、何があったんですか?」
レインは聞く。
答えるはずの無い操られたものに。
「人質はサービスとして、シュハードを殺した男がなった。名前は……イルド、とか言ったか」
全員が固まる。
動けないほどの衝撃だ。
ケイズはそんな反応を無視して部屋から出て消えた。
「え?……」
ラーチャが声を出す。
混乱している。
ケイズが発した意味は分かるが、理解したくない。
そんな複雑な状況だ。
「……」
ラーチャはそのまま膝を床につけた。
下を向き、黙っている。
ファイやレインも声が出ない。
そして朝の言葉が浮かび上がる。
ここにいる全員がその言葉が浮かんだ。
「裏切り……」
それを発したのはリスターだった。
全員がすぐにリスターを見る。
「裏切り……」
もう一度呟いた。
「そうか。そうすれば、辻褄が合うな」
リスターは笑った顔で言う。
苦しそうな笑みだ。
分かる。
何の辻褄が合うのか。
この状況で分からない者はいなかった。
「ファイ。悪いな。俺は出る」
リスターは吐き捨てるように言い、部屋を出る。
近くにある荷物を全て持ち去った。
急な行動で誰も反応できなかった。
「え?あ、隊長!!」
数秒経って、ケミアが追いかけ、他の三人も走る。
一気に部屋が静まる。
ファイは今ので分かった。
リスターの行動で。
リスターは捨てたわけじゃない。
ただ、様子を見る、ぐらいだろう。
しかしそれは願望に近いのは、自分でも分かっていた。
「シントスさんは、行かないんですか?」
ファイはしかし力の無い声で言う。
当然味方が減るのは痛かった。
「え?……なんでですか?」
シントスは笑顔で言う。
出来る限り雰囲気を和やかにしたいのだろう。
「私は、ファイさんに助けを求めたんですよ?」
ファイはその言葉を聞いて、ほんの少しだけ顔が緩んだ。
よく考えた結果、間者の三人は
名無しでいきたいと思います




