第八話「目覚めの後の悪夢」《2》
「隊長!!隊長!!」
リスターは誰かに呼ばれた気がした。
目を開け、上半身を起こす。
リスターはいつの間にか自分が寝ていたことに気が付く。
自分の周りにはただ一人、ケミアが立っていた。
一人だけ、と思ったら、他の人たちもいた。
しかし地面で寝ている。
そこで思った。
何故こんなところで寝ているのか覚えていなかった。
「ケミア、何があったか覚えてるか?」
「え?……えぇ。まあ」
ケミアはいつものように笑顔で答える。
ケミアによると、いきなりここにシャラジューマが来たらしい。
それは何となく覚えている。
敵だということはすぐ分かったとこまでは。
そこで記憶がとんでいる。
頭に浮かぶのは赤。
「たしか、一瞬燃えたような……」
それで分かった。
赤……炎だ。
シャラジューマの魔法だったのだろう。
とすると、その者は、敵なのだろうか。
リスターは考える。
しかしその線は無いことにすぐ気付く。
自分は殺されていないのだ。
なら何が目的だったのか分からなかった。
殺さない。
いや、後で殺すつもりだった。
先に目的の人物を殺す、あるいは探すつもりだった。
そうすると辻褄があった気がした。
目的の人物。
この部屋にいない人物。
シャラジューマだ。
そう思い、リスターは部屋を出ようとした。
まずは情報だ。
情報を集めるには、あの三人に聞くのが一番良いだろう。
「いっ!!」
部屋の入り口。
そこでリスターは誰かとぶつかった。
リスターともう一人は後ろによろめいた。
「す、すいません……」
その者は丁寧に誤った。
ケミアがリスターに近づき、その者を見る。
青い鎧を着ている……ロイシャラン王国の兵士だ。
「こ、こちらこそすいません」
リスターも謝り、その者を見た。
そこで驚いた。
「……!!も、も、もしかして……」
リスターは数歩下がってその者を指差す。
驚きすぎて口が開いたままだった。
「あ、あなたは……シン……トス殿……ではあ、ありませんか?」
「え?えぇ……とすると」
シントスは慌てず言う。
「リスター君?」
「は、はい!!」
リスターは背筋を伸ばし、答えた。
その横では、ケミアも同じ事をしている。
「シントス殿。さっそくですが、質問よろしいでしょうか?」
「ん?……」
シントスは答えない。
この部屋にリスター達がいるのは知っていた。
しかし予想以上に目覚めるのが早かった。
説明したいところだったが迷う。
「待て!!」
するとその後ろから声が聞こえた。
シントスは後ろを向く。
三人。
ファイとレインとシュハードだ。
「話すなら、一気に話そう」
ファイが言った。
話すのは、他の者達が目覚めてからだ。
シントス、それにファイ、レイン、シュハードは部屋に入る。
こうして一部屋に、全員が集まったのである。




