第一話「アルソリーとの出会い」 《3》
「う……」
男は目を開けた。その目に映ったのは、こちらを眺めている少年だった。
「!!……起きましたか」
少年は、何故か敬語で、そして自分を殺さなかった。
そして疑問を持った。
「お前…抜けたのか?」
「はい」
少年は笑った。
…って事は、全て勘違いだった。
男は起き上がり、少年を見た。
「すまん。てっきり、シャラジューマが追いかけて来たのかと…。俺はジェイダス。ジェイダス・アルソリーだ」
「!!……俺はファイ。ファイ・アルロスです。俺は、あなたに会いにきました」
ファイはようやく、誤解を解くことができた。
そして同時に、捜し求めた人に会えた。
だが、一つ聞いてみたいことがあった。
ずっと気になっていたことだ。
「アルソリーさんはなんで二年前に抜けたのに、まだ行動しないんですか?」
ジェイダは黙った。
そろそろだ…。
すると突然、目が覚めるような、とても大きな音が聞こえた。
一瞬ではない。とても高い音が、連続して、繰り返し聞こえる。
「!!…来た!」
ジェイダスは、予知していたかのように、音と同時に立ち上がった。
この音は、まるで警報のようだ。
いや、本当に警報だ。
「アルソリーさん!…これは?」
「戦争だ。東と西のな」
気付くと、すぐ近くに赤いものが見えた。
赤・・・シャルゼイナ王国を象徴する色だ。
ここは、西側の入り口のすぐ近くだ。
町の人は、今の警報で全員非難したのだろう。
さっきまでしていた笑い声、話し声が消えている。
聞こえるとしたら、金属が擦れる音や、大量の足音だ。
「俺はこの戦争を止める。お前もやるか?」
答えが分かっていながら聞いてきた。
二人は同時に頷き、笑った。
「ファイ。その服は少し問題があるな。俺が走って家から持ってきてやるよ」
「ありがとうございます」
ジェイダスは急いで走っていったが、疲れていて、フラフラしていた。
ファイは、戦いが見たく、屋根の上に風を使って上った。
まだ本格的には始まってはいなかった。
睨み合いが続いている。
東側…ここの正反対にあたる場所には、青い旗が見えた。
ロイシャラン王国の象徴の色だ。
その旗だけでなく、鎧までもが青い為、東側が洪水にあったようだ。
シャルゼイナ王国もそれに負けず、西側を火の海にするような大軍だ。
その一部が動いている。
先に動いたのはシャルゼイナ王国だ。
睨み合いと思わせ、密かに動いていたのだ。
そしてこの公園にも来た。
シャルゼイナ王国の兵士が5人、公園で何か話している。
「おい何だこれは。壊れてるぞ。」
「前回、壊れたんじゃないのか?」
「こんな西側で戦ったか?」
この5人が、ファイ達が無駄に戦って壊れたなど知っているはずもない。
「なんにせよ、ここには用は無い。別の場所へ行くぞ。」
隊長らしき人が言うと、5人は公園から出て行った。
よく思えば…時間を無駄にしない為、ファイもジェイダスについて行き、その場で着替えた方が良いのではないのか?
なぜ今までそんな事に気づかなかったのか、いや、考えなかったのか。
自分を責める前にまず行動をしなければ。
ファイは急いでジェイダスを探した。
町の人がいない為、派手に動いているジェイダスは目立った。
すぐに見つかったのだ。
見つけた所は以外にも遠く、どちらかというと町の東側だ。
よくファイと戦ってフラフラなのにあそこまで行けたものだ。
ファイは風を足に集め、屋根の上を走って行った。




