第七話「驚きの訪問」《5》
「……ん……ん」
ファイは気付く。
いつの間にか気を失っていた。
地面に仰向けに寝ていた。
思い出そうとするが思い出せない。
あの後だ。
たしか、クラウと向き合っていた。
その後が思い出せなかった。
薄らと、クラウが倒れたような映像が流れる。
が、あまり信じれない。
「あの……」
そこで声が聞こえた。
ファイは上半身を起こした。
全身が痛むが、それは我慢した。
すると目の前に、青い者が立っていた。
青い者……青い鎧を着た者が。
「ファイ・アルロスさん……であってましたよね?」
「え?……あ、はい……」
その者は言う。
その顔はどこかで見たことがあるような気がした。
それに、その者は名前を知っていた。
知り合いなのだろうか。
しかし心当たりが無い気がした。
ファイは考える。
青い鎧。
ロイシャラン王国の兵士。
ロイシャラン王国に知り合いなんていただろうか。
東の国なんて、シャラジューマの時しか行かない。
その時に知り合った者だろうか。
いや、いないはずだった。
なら誰だろうか。
ロイシャラン王国の知り合い。
…………いた。
「もしかして、シントス……さん?」
「お、お、お、覚えてくれてましたか」
青い者、シントスは笑顔で言った。
覚えてるも何も、つい最近会ったばかりだ。
レクシィ城で。
「れ……いんと、しゅ……はーどは?」
「あの二人のことですか?大丈夫です。念の為、処置はしときました」
「あ……あぁ」
と、思ったら、自分の頭にも包帯が巻かれていた。
これもシントスがやってくれたのだろう。
「!!……クラウは?」
そこで思い出した。
たしか、クラウはシントスに撃たれたのだ。
そして、死んだはずだ。
するとシントスは右に反れた。
シントスの後ろには、動くことの無いクラウがいた。
血まみれだ。
「……」
シントスは黙っていた。
処置に困っているのだろう。
「大変ですけど、埋めといてくれませんか?そいつ」
「え?…………あ、はい」
シントスは頷いた。
ところで、何故シントスがここにいるか分からなかった。
スレイタウンの住人がいないことと関係があるのだろうか。
しかしそれは聞かなかった。
睡魔が襲った。
考えるのは後にしよう、そう思った。
「すいません。少し、寝かしてください」
ファイはそこでゆっくりと体を寝かした。
そしてすぐに、意識が薄れていった。
シントスの足音が微かに聞こえたが、気にしなかった。
たぶん、クラウを埋めてくれているのだろう。
そして長い長い夜が、明けようとしていた。




