第六話「出会い」《5》
「……」
レインとシュハードは、スレイタウンの入り口で混乱していた。
スレイタウンに人がいないのだ。
「シュハードさん、何か知ってますか?」
「いや、知らない」
不気味だ。
いや、集中すれば、何個か気配は見つかる。
しかし少ない。
何が起こっているのか検討もつかない。
二人はまず、その微かな気配の元へ向った。
ファイ達である可能性は大きいだろう。
しかし違った。
その気配の主は、ファイではなかった。
もちろん、イルドやラーチャでもない。
間者の兵士だった。
しかし今は四人。
一人いない。
あの隊長だ。
「あれが例の間者か?」
シュハードが聞いてくる。
もう既にシュハードには説明しといた。
全てを。
「はい。でも、隊長がいません」
二人は遠くから兵士を見ている。
兵士達はランプを持っている為非常に目立つ。
その兵士達は、どこかへ向っているようだった。
ここにいない、隊長の所へ行くのだろう。
二人は尾行する。
この尾行は非常に簡単だった。
暗闇の中で、光を追いかけるのだ。
これほど楽なのはなかった。
が、何か違和感があった。
気付かれているような気がした。
ほんの少しだけ、そう感じた。
しかしそれは気のせいだと分かる。
四人は、目的地に着いたようだった。
周りと比べて少し小さい家。
兵士の誰かの家だろうか。
中にはやはり人がいるらしく、明かりが点いていた。
四人はゆっくりとその中に入っていった。
「……」
「……」
二人は黙った。
尾行してきたは良いものの、目的がなかった。
兵士の拠点を突き止めたって、何の意味もないのだ。
今は、ファイを探さなければならないのだ。
「どうします?」
「中に入るぞ」
「え!?」
シュハードの意外な発言に驚いた。
「な、何でですか?」
「分からないのか?」
「え?……えぇ」
「気配の数を確認しろ」
「え?あ、はい」
言われた通り、レインは気配を確認した。
今の四人、それにまだいる。
四人の近くにもう二人、ほんの少し離れてまた二人。
合計で八人。
「あっ!!」
そこで気付いた。
兵士五人、あと三人。
三人という人数は、もしや、ファイ、イルド、ラーチャなのではないのだろうか。
「行くぞ」
「あ、はい。本当に、ファイさん……ですよね?」
「たぶんな」
二人は入り口の前まで来た。
ここで止まる。
どうやって入るかだ。
もし呼び出した時、ファイじゃなかったらどうしようか。
ファイではない可能性があるのだ。
簡単に入れない。
「あ!!」
そこでレインは良い案を思いついた。
「気配ですよ気配。僕が間者の人に分からない程度の気配を出す。そしたら、ファイさん出てきませんかね?もし違ったら、出てこない。良い案だと思いません?」
レインはにっこりと笑っていった。
「やってみてくれ」
「はい!」
そしてレインはある程度の気配を出した。
すると家の中の一つの気配だけが消えた。
ほぼ同時だ。
気配に気付いて自分も気配を消す。
やはり中にファイはいる。
「……」
しかし家のドアは開かない。
そこで気付いたのはシュハードだった。
ファイからすれば、今まで消していた気配がいきなり近くで現れたわけだ。
シャラジューマであることは一瞬で分かるだろう。
だから警戒し、自分の気配も消した。
まさか……。
シュハードはすぐに行動を起こす。
予想通り、その直後ドアが壊れた。
ドアを壊した魔法ーー『風』は、シュハードとレインを捕らえる。
しかしシュハードの『水』でそれは防ぐことは出来た。
「ファイさん!!」
ドアから数メートル後ろの所に二人はいた。
ドアにはやはり、ファイがいた。
「なんだ……れい」
レインか……。
そう続けようとしていた。
が、シュハードが視界に入った途端、それが止まる。
そう、ファイを殺しかけたシュハードを、見た途端。




