表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/75

第六話「出会い」《3》

それは、一日前のことだった。


レクシィ城。

そこでファイが、窮地に立たされていた。


「じゃ、終わりだ」


シュハードは言った。

案外簡単に終わった。

自分達上級者が来る必要があったのかと思ったくらいだ。


攻撃も中途半端、逃げるまでの会話も、その行動のスピードも。

所詮中級者だ。


シュハードは右手をファイに向けた。

ファイは目を閉じたまま仰向けに倒れている。

もう諦めたのだろう。

シャラジューマにしては早い諦めだ。

まだ何か仕掛けてきそうだが。


そう思った時、異変が起きた。

ファイの体が光ったのだ。

一瞬ではない。

その光は一瞬にして大きくなり、ファイの体を包み込んだ。


「まずい!!」


シュハードはすぐに殺せるほどの炎を右手に集めた。

この光、現象。

間違いなく移動魔法だ。

どの魔法かは断定できないが、ファイを助ける為のものというのはすぐ分かった。

だから、殺せるほどの炎が集まった瞬間、すぐにそれを発射させた。

ぎりぎり死ぬ程度の炎だ。


シュハードはすぐに次のを発射させた。

油断は禁物だ。

光はファイの体を完全に包んだ。


そして考える。

ファイを助ける者。

恐らく、いや絶対に裏切り者だ。

しかし心当たりはない。

ファイの知り合いを調べたが、移動魔法が使える者はいなかったはずだ。


光は徐々に小さくなっていく。

シュハードの攻撃の手は止まる。


光の中から出てくるのはなんだろうか。

ファイの死体か、その身代わりとなった者の死体か。


「!!」


その時、シュハードの顔のすぐ右を、何かが通った。

反応できなかった。

雷……魔法が通った。

発射元は、光の中。


そこで分かった。

ファイと関わりがあり、移動魔法が使える者を。


「あーーうぜえ……」


光の中からそんな声が聞こえた。

ファイと同じ声。

しかし違う人物だ。


光の中の人物は立ち上がる。

それで足元以外が見える。

しかし見なくてもどんな顔か分かる。


ボロボロのシャラジューマのマントを着ている。

髪、瞳の色はファイと一緒で、身長や顔つきも同じだ。


SIKS……サイクスだ。


聞いたとおり、ファイにそっくりだ。

しいて言えば、目つきぐらいだ。


「一人か……」


サイクスはシュハードを見て言う。


その時、サイクスの周辺が爆発した。

すぐに煙がサイクスを包む。

シュハードがやったわけではない。

そんな余裕はなかった。

向き合ってただけで分かる。

勝てない。


「シュハード」


と、名前を呼ばれた。

誰だかはすぐ分かる。


『火』を使う、ノスタードだ。

しかしその方向を向かない。

向く余裕がないのだ。


「本人やれば手っ取り早いじゃん」


ノスタードは簡単にそう言い、煙に近づいた。

分からないのだろうか。

シュハードは何度もそう思う。

煙の中に無事にサイクスがいることが分かっているはずだ。


「シュハード?……どうしっ!!」


その時、煙の中から手が出た。

誰が見ても分かる。

サイクスだ。

その手はノスタードの首をしっかりと捕らえる。


「ノスタード!!」


ようやくシュハードは理解した。

しかし体が動かない。

本能で自分より強い者を拒否している。

久しぶりだった。

こんな状況は。


そしてまた、爆発が起こった。

それはノスタード、サイクスを完全に捕らえていた。

先ほどのノスタードの爆発とは比にならないほどの大きさだった。


シュハードは外を見る。

ノスタードが壊した壁から、誰かが見えた。

爆発を起こした者だ。


シャラジューマのマントを着、フードも被っている。

右手をサイクスの方向に伸ばしている。

そして僅かに見える口元は笑っていた。


「命中……」


その者は、笑ったまま言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ