第五話「驚きの連続」《4》
「何処ですか?」
レインが呟く。
目の前にはいないが、誰かに呼びかけている。
ファイと共に進んでいた時、左手に異変が起きた。
正確に言うと、左手の小指だ。
そこは敏感なのですぐに気がつく。
シャラジューマの何かしらの合図。
それが、左手の小指に魔法で何かをすることだ。
今回は痺れた。
そう、『雷』の魔法だ。
この方法での合図。
少なくとも、レインを敵視している訳ではなさそうだ。
もし敵視していたら、奇襲でもしていただろう。
が、決闘好きの者なら話は別になる。
だから、気配を消しつつ警戒をしている。
「レイン・スペラクト……だな?」
どこからか声が聞こえた。
低い声……男だ。
しかし聞いた事が無かった。
「はい……」
ただ呟いた。
声は聞こえるが、方向が分からない。
「ここだ」
すると、後ろから気配が感じられた。
暗くてよく見えないが、姿を見せていることは分かる。
殺気は感じられない。
しかし警戒を続けた。
「俺の名は……シュハード・ダリセルネ」
「!!」
レインは知っていた。
ケイズの指南者であるシュハードを。
そしてファイ……サイクスの消滅を任された者の内の一人であるシュハードを。
レインは動けない。
咄嗟に警戒を解く。
敵だということを悟られてはいけない。
「心配するな。俺は知っている。お前がファイ・アルロスに味方したことを」
「!!」
レインは後ろに下がり、シュハードを警戒し直す。
相手は上級レベル。
しかもその中でも名の知れるほうの者だ。
「だから言ってるだろう。心配するな」
「ど……どういう意味ですか?」
いつの間にか汗が出てきていた。
殺気はない。
だが分かる。
上級レベルの者は、危険だ。
「俺は考えた。考えた。そこで考えた。取引…と考えても良いだろう」
シュハードは話し始める。
「サイクスと戦うなら上級レベルが必要だろう?そして城での出来事も聞ける?悪い話じゃないだろう?」
「な……にが言いたい?」
「簡単に言うと……だ」
シュハードは少しためる。
「俺はシャラジューマを抜ける。そして……仲間に入れて欲しい、と言っているんだ」
「……」
レインは黙った。
信じられるだろうか?
相手は上級レベルだ。
何があるか分からない。
「で……何が目的なんですか?」
「信用……それは無理か?」
「すいません。無理ですね」
レインは苦笑いをする。
力尽くでも、と来るだろうか?
しかし違った。
「俺は知っている。俺もなんだ。お前と同じで。だからお前だけを呼んだ」
「僕と……同じ?」
「あぁ。……俺も」
シュハードが言う。
レインは驚いた。
そして警戒を取った。
「分かりました。話を……聞かせて下さい」
少し風が出てきた。
そんな中、シュハードは口を開いた。




