第五話「驚きの連続」《3》
今回は少し短めです
「僕は、レイン・スペラクトです」
自己紹介が終わった。
ラーチャも、気付いたときには泣き止んでいた。
これでいつでも行けるようになった。
もう完全に暗い。
微かに来る村の赤い光。
これが無いと何も見えない。
「……どうする?今から行くか?それとも朝まで待つか?」
ファイは言う。
ファイとレインは慣れているが、イルドやラーチャはきついだろう。
「俺はもう動いたほうが良いと思う」
イルドは村の方を見る。
「ここに留まっているほうが危険だ。少しでも早く東に移動したほうがいい……と思う」
ファイはまた驚かされた。
冷静だ。冷静すぎるのだ。
「あ…あぁ。俺とレインもそう思ったんだが、ラーチャさんは大丈夫か?」
「わ、私は…だ、だいじょ…ぶです……」
まだ声が震えている。
無理も無い。
イルドがラーチャに近づく。
どうやら落ち着かせているようだった。
「ファイさん」
小声でレインが話しかけてきた。
「なんだ?」
ファイもそれに合わせ、小声で返す。
「なんでシャラジューマだって名乗ったんですか?」
「第三者を巻き込みたくはないんでね」
「でも……」
「もし本当のシャラジューマと遭遇したら、どうするか?…か?」
「……」
「その時はその時だ」
そこで、イルドが近づいてきた。
落ち着いただろうか。
「もういいか?」
「あぁ」
ここで出発が決まった。
光が少なく心配だが、仕方ないのだ。
ファイもレインも、明るくする能力じゃないのだ。
ある程度東に進んだ所。
やはり、困った。
見えなくなったのだ。
夜の森は危険と言うが、それは事実だ。
一メートルも離れていないのに、互いの顔が、僅かしか見えない。
方向感覚も失いそうで、迷う危険もある。
街の光も見えて良い頃、あることに気付いた。
「レインは……?」
ファイはずっと前で、イルド達を誘導していた。
方向感覚も自信があり、慣れていたし。
そしてレインには、逆にイルド達の背後にいた。
もしもの為に。
「イルド、レインは?」
「あ、あぁ、そいつなら、『ちょっと抜けるね。先行ってて。あ、ファイさんには言わないで』って言って、どっか行ったぞ」
「何!?」
ファイは辺りを見回す。
気配が無い。
いや、消している。
気配が消えたことに気付かなかった。
そこまでしての用。
なんなのだろうか。
「おいファイ」
イルドが呼んだ。
「なんだ?」
「あれ……」
イルドが東の方を指差す。
「家じゃないか?」
「な……に?するとここは……街なの…か?」
ファイは驚いた。
もう既に、街に着いていたのだ。
ファイ、題名通り驚いてばかりですね…




